卓越したギタースキルと歌心を持つ10代、森 大翔とは何者か 型にはまらない才能がシーンにもたらす新たな旋風

森 大翔がシーンにもたらす新たな旋風

 森 大翔(もりやまと)というギタリスト/シンガーソングライターについてご存じだろうか。2021年9月にA-Sketchよりデビュー、そして1月26日に2ndデジタルシングル「台風の目」をリリースした新人アーティストで、現時点におけるメディア露出やライブ活動は決して多くはないため、今この記事を通して初めて彼を知るという人も多いかもしれない。今回は、今まさに2020年代の音楽シーンへ飛び込んだばかりの森 大翔が発表した2曲、そして彼が秘める大きな可能性ついて紹介していきたい。

 まずは、簡単なプロフィールから。2003年生まれ、北海道の知床半島出身で、ギターを始めたのは小学6年生の頃。その後、ギターを始めるきっかけを与えてくれた一回り年が離れた従兄弟からエレキギターを授かり、彼の影響でメタルの世界に魅了されていく。なおYouTubeチャンネルには、Dream Theaterなどのメタルバンドの楽曲のコピー動画や、従兄弟から勧められて必死に練習したというGALNERYUS「ANGEL OF SALVATION」のギターソロの動画をはじめ、いくつもの動画が残っている。

GALNERYUS ANGEL OF SALVATION solo cover (yamatooo)

 彼にとって一つの大きなターニングポイントとなったのが、2019年にイギリス・ロンドンで開催された『Young Guitarist of the Year 2019 powered by Ernie Ball』だ。彼は、この16歳以下のギタリストによる世界大会で見事に優勝を勝ち取り、それまで磨き上げてきたギタースキルが、世界一という形で実を結ぶこととなった。

 こうした経歴だけを見ると、現在の彼はギタリストとしての道を歩んでいると想像する人が多いかもしれない。もちろん、それは半分は正しいのだが、彼はシンガーソングライターとしての道、つまり、「歌」を追求する道を歩み始めたのだ。

 何よりもまず、昨年9月にリリースされたデビュー曲「日日」のMVを観てほしい。たった1本のアコースティックギターから放たれる無数の音たちの煌びやかな躍動が圧巻で、彼の鮮やかなギタープレイに真っ先に目を奪われるはずだ。ハンマリングを駆使したメインのリフ、コードストローク、そして随所で光るハーモニクスが渾然一体となって生み出す調べは非常に美しく、彼のギタリストとしての手腕に圧倒される。また、アコースティックギターのボディをパーカッションのように叩くことで自らビートを生成していくプレイスタイルも、弾き語りスタイルの同曲における重要なアクセントとなっている。なお、森はジョン・メイヤーを愛聴するアーティストとして挙げており、アコースティックバージョンの「Neon」をはじめとした楽曲が、彼のプレイスタイルに大きな影響を与えていることが想像できる。

森 大翔「日日」Music Video / Yamato Mori - “Hibi”

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