GENERATIONS、『紅白』で発揮した優れたポップネス 10年目に差しかかる7人が幅広く愛される理由
2021年12月31日、「カラフル」というテーマの下で開催された『第72回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)。紫や黄色などがチョイスされた司会者(大泉洋&川口春奈)の衣装、たくさんの花々に囲まれたステージセットなど、多数の色が混在する画作りがなされており、“紅白”というコンセプトからの意図的な逸脱が示されていた。
今回初出場となったアーティストはDISH//、Awesome City Club、KAT-TUN、上白石萌音、まふまふ、Snow Man、BiSH、平井大、millennium parade × Belle(中村佳穂)、藤井風、布袋寅泰(タイムテーブル順)に、特別企画のケツメイシを加えた計12組。それぞれのフィールドでキャリアを積んできたアーティスト達が堂々たるステージ披露した。なかでもmillennium paradeの演奏とともに凄まじい歌唱を見せた中村佳穂と、圧巻のソロステージのほか大トリを務めたMISIAの「Higher Love」の伴奏にも参加した藤井風。この2組は強烈なインパクトを残していた。
そして今回、3年連続3度目の『紅白』出場を果たした7人組ダンス&ボーカルグループこそ、GENERATIONS from EXILE TRIBEである。昨年7月リリースの6thアルバム『Up & Down』より、リード曲「Make Me Better」を披露した。
特定のメジャーアーティストを目的として鑑賞する上では、平時の活動と大きく異なる、いわゆる“アウェイ”の場でいかなるアプローチを行い、個性と実力を発揮するのかが見どころとなる『紅白』だが、その点でGENERATIONSのステージにおける魅力はどのようなものだったのか。
まず、アルバム『Up & Down』について踏まえておくと、その最大の特長はメンバー自らによるクリエイティビティがこれまで以上に組み込まれている点であった。白濱亜嵐による作曲、数原龍友による作詞、関口メンディー自作のラップ詞などがそれにあたる。特に昨今では、PKCZ®への加入、後輩グループへの楽曲提供などもあり本格的にトラックメイカーとして開花し始めた白濱の貢献は大きく、「Lonely」「Love is?」の2曲のほか、アルバムに配置された3つのInterludeも手掛けた。
収録曲に関しても、今作では彼らが得意としてきたダンスポップのパーティチューンは鳴りを潜めている。その代わりに一昨年の『第71回NHK紅白歌合戦』でも披露されていた「You & I」を軸とし、アコースティックで温かみを感じさせるチルナンバー「Beautiful Sunset」、ミニマルなオルタナティブR&B「Feel Arlight」など、トーンの落ち着いたポップチューンが増加。アーティストとしての成熟期の到来と、そこからの新章を予感させる作品となっていた。