優里、菅田将暉、あいみょん……冬に聴きたくなるフォーキーな楽曲の進化と普遍性

多彩な形で進化し続けている”フォーク”

 ここ数年のJ-POPにおけるフォークの潮流として、あいみょんのブレイクについても触れたい。吉田拓郎からの影響を公言しており、歌い回しや歌詞の文字を余らせながら歌うスタイルはフォーキーな匂いを纏う。生活の中で生まれた感情や、忘れられない青春の風景を描く歌詞にもまたフォークソングの魅力が刻まれている。モダンなファッションや、媚びないスタンスなどによって若い世代のアイコンとしての人気を持つ彼女が歌う、等身大の感情の表出が、多くの支持を集めている。

あいみょん - 裸の心【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 また、多彩な形でフォークが進化し続けていることも、ここ数年の音楽シーンのトピックスだろう。TVドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)の主題歌を担当した折坂悠太は、フォークロックを軸にしながら民謡や民族音楽のエッセンスを配合した独自の路線で話題を集める。浪曲のような歌唱もインパクトは大きいが、代表曲「朝顔」の真っ直ぐな温かみは広く受け入れられた。

折坂悠太 - 朝顔 (Official Music Video) / Yuta Orisaka - Asagao

 ROTH BART BARONは今年、アイナ・ジ・エンドとタッグを組んだユニット A_oでポカリスエットのCMソングとして「BLUE SOULS」を歌唱。荘厳な響きとともに、瑞々しい青春性も感じさせる先進的な1曲であった。アコースティックギターと歌に加え、様々な要素を加えることでフォークという領域は常に進化を続けているのだ。

A_o - BLUE SOULS [Music Video]

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