C&K、ユニークなコンセプト尽くしの“贅沢な祭り” TDCホールを満たした怒涛のエンターテインメント
ここからライブは彼らの代表曲の1つ「入浴」へとなだれ込む。出だしのロングトーンなど圧倒的な歌唱力で場を圧倒しつつも、覚えやすい振りですべての観客を熱く巻き込んでいく、彼らのアーティストとしての魅力が全方位に輝く佳曲といえよう。この日はMOS参戦でより厚みを増した演奏をバックに熱唱する2人と、ソーシャルディスタンスを守りつつ盛り上がる四池さんの一体感がいつも以上に感じられ、とても鮮やかな印象を残した。
MCではCLIEVYが「(コロナ禍の中で)僕たちのようにステージで音楽をやったり、ダンスをやったりする人間には、いろんな不安や葛藤がありました。活動の中で“答え”を常に求めているようなところがあって、皆さんが見せてくれるこういうライブの景色が、その答えを出してくれるような……」と感謝の思いを伝えた。彼はこの日、何度もMCで“ふざけた中のシリアスなメッセージ”という言葉を使ったが、“テレカクシー”(今回のライブではやらなかったが)なステージングの中に、“ジャンルバスターズ”と呼ばれる楽曲の中に、これまで以上に言いたいことをふんだんに詰め込んで届けてきたのだろうと感じた。
そんな感慨に浸っていたところ、ステージには6~7メートルはあろうかという長いマイクスタンドがセッティングされていく。再び“フライング”しながらそのマイクスタンドを使って「終わりなき輪舞曲」を歌い上げるCLIEVYに、KEENが「そっちからはどんな景色が見えてんだ?」と尋ねる。曲終わりにCLIEVY自ら「何これ?」とつっこみ、MCでは「ここで(CLIEVYの)古い踵が壊れて新しい踵に生まれ変わったんだな」と解説する、C&Kの菩薩ことKEENの大人な反応にもつい笑ってしまった。
ライブ終盤となったここで、『CK TOKEN』にも収録された新たな名曲「あの日のスウィートメロディ」をレゲエアレンジで披露。太いベースの効いた包容力のあるサウンドが心地よく響いた。
フィナーレは定番の「帰れ」で、ゲスト全員を呼び込んだステージは超満員。しかもCLIEVYが「曲作ろう!」と言い出し、彼が即興で歌ったメロディをもとにバンドも即興で応えていく。その演奏をバックに、まずs**t kingzのNOPPOが斬り込み隊長として踊り出し、その後はダンサーやプレイヤーが1人ずつソロでつないでいくという怒涛のフリースタイル合戦に。「これどこで終わるの?」(KEEN)、「俺もわからん!」(CLIEVY)というカオスなノリだったが、ゲストや客席との掛け合いが生み出す空気、そこから生まれる謎の熱気やトリップ感を楽しむという、なんとも贅沢な時間だった。
「いつまでも文化祭みたいなライブをやり続けたいよな?」(CLIEVY)、「真剣にふざけるのが一番かっこいいんだよ!」(KEEN)という2人の会話がずっと耳に残っている。計3時間の長尺ライブを体験してまた日常に戻るが、終演後に発表された2022年11月20日の横浜アリーナ公演に、また変わらない答えを探しに行こうと思う。
■セットリスト
『日本全国CK地元化計画 地元です。地元じゃなくても、地元ですツアー2021
劇団ひとりぼっち~僕は独りじゃない~ 改』
12月14日(火)東京ドームシティホール
1.C&K XⅢ
2.to di Bone
3.ジャパンパン~日本全国地元化計画~
4.MATSURI
5.パーティ☆キング
6.KARADANONAKADAKARADA
7.梅雨明け宣言
8.ダイヤモンド
9.Y
10.AND MORE...
11.キミノ言葉デ
12.誘惑
13.※がある
14.In the Mood
15.APAP
16.幸せのディスタンス
17.うたをうたお
18.ドラマ
19.踊LOCCA~around the world 新たなる冒険~
20.精鋭
21.愛を浴びて、僕がいる
22.FFP feat. C&K (s**t kingz 提供曲)
23.にわとりのうた
24.入浴
25.終わりなき輪舞曲
26.あの日のスウィートメロディ
27.(フリースタイル)~帰れ