Sexy Zoneメンバー分析 第1回:佐藤勝利、センターとして燃やす静かな闘志 グループ支える豊かな感受性の持ち主

 俳優としても表現に向き合ってきた。圧倒的な主人公感は言うまでもないが、意外にも「かっこいい役」は演じていない。どちらかといえば弱い者、特別ではない者として、メッセンジャーの役割を担ってきた。瞳が持つ訴求力こそ、俳優としての佐藤の魅力だ。

 グループにおいては“真ん中っ子”。バランサーだ。10周年にあたってのインタビューでは「僕にできることがそこしかなかった」(※3)とも語っているが、個性豊かなグループにおいて佐藤が担ってきた“そこ”の大切さは、メンバーもファンもよく分かっている。そして、いつでもグループを、“5人”であることを根底に置き、自身の立ちまわり方や頑張りどきを定めてきた。絶対的センターという前衛でありながら、俯瞰的な思考の持ち主だ。

 実生活では末っ子である佐藤。にも関わらず、どこか「しっかりしようとし過ぎている感」があったのだが、少しずつ年齢相応の顔を見せるようになってきた。1つ年下で、当初は嫉妬もありライバル視していたという松島聡とは、いまや親友のような間柄(※4)。マリウス葉に対しては、漢字の読み方をこっそり教えてフォローするなど初期から気にかけていたものの、いかんせん佐藤の愛情表現が不器用ゆえ、かわいらしい小競り合いも多かった。マリウスからも、なぜかスマホの登録名を「金太郎」にされてしまうなど何かと不憫な扱いを受けているが(※5)、いまだ多くの現場で年少組である佐藤が“お兄ちゃん”ぶることができる、数少ない相手。やはりかわいいのだろうと、微笑ましくなる。

 紆余曲折あったグループ活動。深く考えているように見える時期もあったが、時折思いきりよく吹っ切れてしまうのが、佐藤の強いところであり、面白いところでもある。それこそが、彼の言う「本当は強気」な素顔なのかもしれない。

 デビューから10年、数々の経験を経てもまだ25歳だ。父が名付けた「勝利」の名のもとに、虎視眈々と静かな闘志を燃やしている。

※1、3、4:https://more.hpplus.jp/odekake/entame/70163
※2:https://bisweb.jp/interview/120509
※5:『山里亮太とSexy Zone 女の脳が男を捨てる。』(中京テレビ)より

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