さとうもか、リスナーの居場所であり続ける決意 ユニークな演出満載で楽しませた『WOOLY』ツアーファイナル

さとうもか、居場所であり続ける決意

 岡山県出身のシンガーソングライター さとうもかが11月7日に渋谷CLUB QUATTROにて、『さとうもか “WOOLY” TOUR 2021』のファイナル公演を行った。

 2018年3月にリリースした1stアルバムのリード曲「Lukewarm」がSNSでバズり、2020年1月リリースの1stシングル曲「melt bitter」はストリーミング再生600万回、MV再生200万回を突破。2021年にはインディーズからメジャーにフィールドを移し、同年5月にリリースしたメジャー1stシングル曲「Love Buds」はJ-WAVE「TOKIO HOT100」で4位を獲得。10月にメジャー1stアルバム『WOOLLY』をリリースし、地元の岡山から全国ツアーをスタート。チケットは即日完売となり、追加公演として、名古屋、大阪、東京と全てが昼夜2公演の開催となっていた。

 名は体を表すというが、さとうもかは、“砂糖(さとう)”菓子のようにスウィートでロマンチックだが、“モカ”コーヒーのような苦味と爽やかな酸味がある世界を見せてくれる。ドリーミーでファンタジックだが、残酷なくらいのリアリティも潜んでおり、パッと見はかわいくてガーリーなのだが、少しシュールでビターでもある。そして、この日は、まず入場時にオレンジ色のサイリウムと、「謎の騒音集団“シュガーサイエンス団”」を名乗るメンバーの相関図とストーリーが描かれたチラシが観客に配られた。それによると、各地で「怪しくも楽しい集会」を開いてきた彼女たちは、ポリスメンに追われているらしい。会場にいる私たちの運命はどうなるのか……。

 開演時間を少し過ぎた頃、場内に「シュガーサイエンス団が侵入している可能性があります」というアナウンスが流され、お揃いの白衣にサングラスをつけた団員がステージに上がって、フロアを占拠した。ファンキーなテクノポップ「Sugar Science先生」でオーディエンスを総立ちにさせると、「うわははは」と笑い声を上げながら煙立つ爆弾を手にし、サイレンが鳴り響く中で、「やぁ、そこのシュガー(犠牲者)たち、我々はシュガーサイエンス団だ! 私たちは今、この地球を2つに割る威力のある爆弾を制作している」と告白。「実はかぎつけた警察がもうそこにきている。これは非常に危険な状況だ。ここで作戦がある。音楽ライブをしてカモフラージュするのだ。みんなも共犯になってしまうけど付き合ってくれ!」。警察に会場を包囲された状況下で、フレンチポップ「Weekend」でクラップを引き起こすと、シュガーサイエンス団のボスである“クマ”(のぬいぐるみ)が登場。続いて、ボスを抱えながらアーバンなR&B「melt bitter」を切なくエモーショナルに歌い上げるが、ついにポリスメンが踏み込み、ボスは逮捕されてしまう。「とにかくお前らはこのままずっと歌をとめないのじゃ。それがワシの最後の言葉じゃ。悔いはない!」と言い残したボスの気持ちに応え、ピュアなラブソング「Cupid’s arrow」を魔法少女のようなハート型のステッキを振りながら歌い、シュガーサイエンス団のストーリーから本格的なライブパートへ。

 アコースティックギターを演奏しながらの歌唱が中心となった中盤は、1曲1曲、丁寧に楽曲に込めた思いを語りながら進めていった。「大学時代にすごく好きな人ができて。その人と出会ってから、今まで知らない自分をたくさん知れたことが嬉しくて。自分にとってはすごい経験だった」という気持ちを歌にした「Lukewarm」。共作したMomが来られない代わりに、バンドメンバーがさとうもか自作の「Momくん」のお面をつけて演奏した「いとこだったら」。大きく息を吸い込み、〈間違ってないよ〉と自分に言い聞かせるように歌うR&Bナンバー「Love Buds」。ベーシストはエレキベースだけでなくシンセベースも操り、ギタリストも時には鍵盤を弾き、ドラムはパッドも使用。さまざまな音色で多彩な音像を作り上げていった。



インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる