安田レイ、コロナ禍を経て生まれた“誰か”に向けた曲 JQ from NulbarichらとのコラボEP『It's you』制作秘話

憧れの人にトラックをつくってもらえたのはご褒美

ーーそれでは2曲目の「blank sky」ですが、歌詞の中で“I love you”ではなく、〈I have you〉にしたのはなぜですか? こだわりがあるのでしょうか?

安田:「blank sky」は直訳すると、何も見えない真っ暗な空という意味の言葉です。普段の生活の中には、大事なものが見えなかったり、何をやっても満たされなかったり、空白というか、寂しさみたいなものがあるなという思いを、「blank sky」という言葉で例えたんです。小学生の頃に目にした、“Love is blind, But I can see you(愛は盲目だけど、あなたは見える)”という言葉が印象深くて。この曲はその短い一文にインスピレーションを受けたものなんです。「今、空は真っ暗で星も見えない、でも、あなたがいるね」「満たされない日々だけど、あなたがいる」と。

ーー「It's you」と同様に「blank sky」も、コロナ禍の状況とリンクしたような曲になっていますね。

安田:「blank sky」はコロナ禍の前に書いた曲なんですけどね。すごく自分らしいなと思ったのは、〈いつか2人に想像もできないような結末が待っていると心でわかってたとしても キスして〉っていう一節。恋愛をしている時、ハッピーな感情だけになる人もいると思うんですけど。私には心のどこかに、いつか結末が来ると考える、冷静な自分がいるんです。それを今回、歌詞にして。どうなるかは“神のみぞ知る”だけど、今は、何よりも大切なあなたがそばにいるから大丈夫って。

ーーこの曲でアレンジを委ねたTENDREさんとのコラボは、どのように進めたのですか?

安田:もともとは私がピアノで、本当にシンプルなコードでつくった曲ですが、TENDREさんが素敵な飾りつけをしてくれました。1音1音に意味があると思うし、感情の一つひとつに音をつけて鳴らしてくれているようで、とても嬉しいですね。最初、ボーカルが入っていない、トラックだけのテープをいただいて聴いた時は、涙が溢れてきて。心が洗われるというか、賛美歌かなと思うくらい美しくて。「TENDREさんのサウンドだ! 早くこのトラックで歌いたい」と興奮しました。TENDREさん、JQさんと、今回憧れの人にトラックをつくってもらえて、私は本当に幸せだなと。このために8年間やってきたんだな、これはご褒美だなって思っています。

ーーTENDREさんの音楽の魅力はどこにありますか?

安田:色で例えるとオレンジ色というか。あったかいもの。メッセージも、元気モリモリという感じではなくて、嫌味のない寄り添い方をしてくれるというか。私は、調子が悪い時や落ち込んでいる時に「ガンバレ!」って横で叫ばれると、シャッターをガラガラって閉めてしまいがちなんですけど(笑)。TENDREさんの曲は、どれだけ調子が悪くても、心の隙間を埋めてくれるんです。それってすごいことだなって。「ガンバレ」って言うのは簡単だけど、静かに寄り添うって一番難しいことだと思うんです。私もそういうアーティストに、寄り添える人になりたいと思いますね。

ーー「It's you」「blank sky」という新曲2つは歌い方もサウンドも、現行の海外のR&Bを感じさせるものですが、やはり安田さんならではのポップスに仕上げているのは、海外のスタイルをそのまま日本でやるのは違うんじゃないかといった考えがあるのでしょうか?

安田:私は、安田レイとしては二十歳から、ポップス、J-POPをやってきて。J-POPに対してのリスペクトもあるし、自分の過去の曲も全て、我が子のようにかわいいんです。そういった過去を全て消してガチガチのR&Bをやるとなったら、それは安田レイじゃなくてもいいのかなと。ただそれこそ、自分の中に絡みついたというか、過去に出会った音楽、やってきた音楽というのは深く染みついていて、気づかぬうちにジワジワと出てくるものだと思いますけどね。

ーー3曲目、「A Perfect Sky」のカバーはtofubeatsさんのアレンジ。BONNIE PINKさんの大ファンである安田さんには、かえって歌いにくくなかったですか?

安田:この曲は、カバーを歌う機会がある時、1番目か2番目に候補になる曲なんです。BONNIE PINKさんのオリジナルと同じく、「ANESSA」のキャンペーンソングとして歌ったんですけど、関係者の方が、私がラジオでこの曲を歌っているのを聴いて、声をかけてくださったんですね。何度も歌ってきた曲なので迷いがないというか。もちろん、みんなが知っている曲をカバーするのは、オリジナルと比べられるからプレッシャーもあります。でもBONNIE PINKさんについては私が本当にファン過ぎて、聴いた人にどう思われるかは関係ない、という気持ちもありますね。

ーー4曲目の「Brand New Day feat. H ZETTRIO From THE FIRST TAKE」は、オリジナルから8年経ってのセルフカバーです。自分の歌声は、どこが変わり、どこが変わっていないと思いますか。

安田:声は絶対に変わったなと、思いますね。歌声が変わったのは、この2年でリリースしてきた曲もそう。この2年というのは、最初にお話したように聴く音楽の量や、インプットする時間がすごく増えて。自分の声と向き合う時間も増えました。ずっとやってきていることですけど、こういう声はどうやったら出るのかなということを、この2年は特に考えて、追求していました。今回のバージョンと、二十歳の時のバージョンを並べて聴いてみて欲しいですね。自分で言うことじゃないかもしれないけど、少女から、大人になったなって(笑)。さまざまなライブ、ステージを経験して、価値観なども変わりつつ、声もちょっとずつ変わってきましたね。

ーー今は変化、進化の時にあるようですが、今後はどう変わっていきそうですか?

安田:今回コラボで曲をつくってみて、ひとりでは絶対つくれなかった曲が生まれた。誰かと一緒に、意見の交換、ぶつけ合いがあって、セッションしながら、というつくり方がめちゃくちゃ楽しかったんです。今までも共作はしてきましたが、スタジオに一緒に入ってというのは少なかった。特に「It's you」の、ゼロからふたりでつくり上げていくやり方が好きだな、自分に合っているなと思えます。機会があれば、誰かと一緒に歌うこともやっていきたいですね。

サイン入りチェキプレゼント

安田レイのサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

応募方法

リアルサウンド公式Twitterと公式Instagramをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※チェキはランダムでの発送となりますので、メンバーの指定は受け付けておりません。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。 

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<締切:11月26日(金)>

■リリース情報
2021年11月3日(水)CDリリース
初回生産限定盤(CD+BD):¥2,500 (税込)
通常盤(CD):¥2,000(税込)
「It’s you」配信はこちら:https://reiyasuda.lnk.to/itsyou
「It’s you」特設ページ:https://www.yasudarei.net/Itsyou/

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