嵐の5人がステージに揃った姿は格別だ 初のライブフィルム『ARASHI 5×20 FILM』 に詰め込まれたエンタメの素晴らしさ

『ARASHI 5×20 FILM』エンタメの素晴らしさ

 嵐にとって初のライブフィルム『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』が、11月26日の全国公開に先駆けてドルビーシネマ限定で先行公開された。11月3日は彼らが『A・RA・SHI』でCDデビューをした日。グループにとっても応援するファンにとっても、特別なこの日に公開初日を迎えることには大きな感慨があることだろう。

 嵐はとりわけライブに注力してきたグループである。松本潤が演出に携わり「大きな会場でも観客すべてを楽しませる」「最新技術を取り入れる」という部分で革新的なアイデアを取り入れ、常に日本のエンターテインメントの最高峰として注目されてきた。また5大ドームツアー『ARASHI Anniversary Tour 5×20』(2018年~2019年)を全50公演、総動員数237万5000人の規模で開催するなどライブ本数や動員数で記録を打ち立ててきたのも印象深い一方、常に“チケットがなかなか取れないアーティスト”と称される圧倒的人気を誇ってきた。だからこそ、嵐の20周年の節目を飾る作品として「ライブフィルム」が制作されたのは非常に納得がいく。

『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』(©2021 J Storm Inc.)

 『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』は「シューティングライブ」として開催されたライブにカメラを入れることにより、通常では観ることのできないカメラアングルを実現させた。メンバーたちの背中越しに見る客席のペンライトの輝き、至近距離から見るメンバーの表情、ステージ上でのメンバーたちのふとしたコミュニケーションの瞬間。125台にも及ぶカメラで、堤幸彦監督はじめ、これまでもメンバーたちを撮影してきた旧知のカメラマンたちが撮影したことにより、「嵐のライブの空気感」を余すことなく収めることに成功している。さらに、作品内には観客の歓声が通常より大きく鮮明に聞こえる部分がいくつかある。加えて嵐のステージを見て笑顔を見せたり涙する観客の表情も。本作においては会場にいる一人ひとりが作品を作る一員であり、それはライブにおいても同様である。ファンと共に歩んできた嵐らしいスタンスが感じられるポイントだ。

 そしてなにより特筆すべきは、嵐というグループの20年を総ざらいするかのような演出家・松本潤の“編集力”である。相葉雅紀、二宮和也、櫻井翔、松本潤、大野智がそれぞれ主演を務めたドラマ主題歌やそれぞれが見せ場を持つ楽曲を途中に挟みながら、まるで連想ゲームを繰り広げるかのようにキャリア初期の曲から近年の曲までをシームレスに見せていくセットリストは秀逸そのもの。ほとんどがヒットシングル曲、ライブ定番曲も含めファン以外の人も耳にしたことがあるであろう鉄板曲ばかりだ。バラードからダンスチューンまでジャンルは多岐に渡り、20年もの間これだけのヒット曲を世に送りだすことができるグループは果たしてこれからどれだけ現れるだろうか。5人全員が高い歌唱力を持ち、誰がメインを張っても、どんな曲を歌っても嵐になるという彼らの最大の強みを、限られた時間の中で最大限に発揮できるような選曲がなされていたように思う。

 また、松本が考案したという客席頭上を移動するムービングステージや自動で光の色を制御することができるペンライト、広い会場でもメンバーとの距離を感じさせない特大LEDビジョン、一部ステージや花道の床のモニター仕様など、これまでのライブでも取り入れられてきた技術も含め趣向が凝らされている。その他にもジャニーズJr.が歴代の衣装を着て登場、大切な場面でこれまでも度々披露されてきた櫻井のピアノ演奏や、「復活LOVE」MVに出演した生田斗真がライブ用の映像にも登場といった形で、サンプリング的手法で嵐の歴史が様々な演出に散りばめられているのも楽しい。



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