TikTokでも流行中 ENHYPEN「Hey Tayo」からK-POPシーン定番の“愛嬌“文化を解説

 また、愛嬌の影響力は様々なところで見られる。日本の童謡コンテストを機に知られるようになった“ののちゃん”(村方乃々佳)は韓国でも大変な人気だ。少女時代のテヨンはののちゃんのモノマネ動画を自身のInstagramのストーリーで公開したことで話題を集めていたが、ののちゃんの振る舞いは愛嬌に近しいものがあったのだろう。また、韓国ではオーディション番組が数多く放送されてきたが、愛嬌を披露することで注目度を上げた参加者もいる。その代表例として、『PRODUCE 101 SEASON 2』に出演したパク・ジフンの「僕の心の中に保存!」が印象深い。現在放送中の『Girls Planet 999 : 少女祭典』でもパフォーマンスの際にさらっと愛嬌を見せる練習生も多く、そのステージスキルでファンの心を離さない。

 愛嬌はいわば究極のギャップであると言える。K-POPグループのメンバーは相当な練習量を積んでデビューに至ることがほとんどで、完璧な姿を見せられることが求められている。一方、愛嬌は誰にでもできる仕草でありながら、意外にも完璧に成し遂げられるアイドルの方が少ない印象がある。日本では“ファンサ”と呼ばれる客席に向かって手を振るなどのファンサービスが、韓国ではほぼないことから発展したと思われる愛嬌文化。愛嬌を通じ、普段とはまた異なる表情を見せてくれることだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる