DISH//、コニファーフォレストワンマンで伝えた“一人じゃない”というメッセージ 新曲「沈丁花」も披露

 偶然ではなく必然で集っているのは、バンドと観客だけではなくメンバー同士も同様。「思い返せばルーツなのかな」と語った北村が18歳のときに書いた曲「モノクロ」では、座ってアコギを弾く北村の歌に、マーチングドラムやギター&キーボードの音色が寄り添い、クレッシェンドしながらサビへ向かう。1人から4人になり、たくさんの人へ届けられていく。曲中、「誰も一人ぼっちじゃない!」と歌詞にない言葉が叫ばれたのは「DAWN」。泉はセンターステージから、矢部はメインステージから、北村と橘は左右の花道から、と4人離れたフォーメーションでも一体感のある演奏を聴かせたのは「東京VIBRATION」。そして、ライブの前はいつも不安だという話から「(ライブ中は)一人で生きていないんだな、一人で抱え込んで生きる必要はないんだなって思います」という北村の言葉。今の彼らにとって“自分は一人ぼっちではない”と実感でき、そして“あなたは一人ぼっちではない”と伝えることができるのが、バンドであり音楽なのかもしれない。〈笑ってたいんじゃなくてね、笑い合ってたいのだ〉と歌う「僕らが強く。」が本編ラストを飾っていたのも象徴的だった。

 その後はアンコールとして、10月24日より先行配信される新曲「沈丁花」、大ヒット曲「猫」を演奏し、「乾杯」のリラックスした空気感で終了。名残惜しいのか、全曲を演奏し終えても4人はステージを去ろうとせず、「楽しかったね」「すごかった、ホント!」「みんなに会えたのが何より嬉しいな」と言葉を交わしている。友達同士が集まったような空気感は結成10年目でも健在。そんな関係性を微笑ましく思いつつ、自分たちが音楽を鳴らす意味、その先にある聴き手へのメッセージと真摯に向き合い、ステージへ昇華させた4人の姿からDISH//のネクストフェーズを感じたのだった。

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