EXILE History 第4回

EXILEの20周年を振り返る 第4回:7人で駆け抜けた第二章、新たな伝統「PERFECT YEAR」の幕開け

 その後もリリースペースは落ちることなく、EXILE第二章として初のアルバムとなる5thアルバム『EXILE EVOLUTION』(2007年3月7日)や、ATSUSHIとTAKAHIROで歌い直した「Choo Choo TRAIN」がボーナストラックとなった24thシングル『SUMMER TIME LOVE』(2007年5月16日)などを立て続けに発表。5月からは7人体制になって初のアリーナツアー『EXILE LIVE TOUR 2007 EXILE EVOLUTION』も開催された。同ツアーには、後に三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEとなる山下健二郎などもバックダンサーとして参加していたそうで、彼はEXILEとの出会いをきっかけに「『ダンサー/パフォーマー』という職業があることに気付いて、ダンスをやっているからには、自分もそうなりたい」(※5)と思い始めたという。また、8月5日に東京ビッグサイトで行われた最終公演『EXILE LIVE TOUR 2007 EXILE EVOLUTION ~SUMMER TIME LOVE~』では、完走間近で感極まったTAKAHIROが涙ながらに「道」を歌う場面も。感動的なエンディングになるかと思いきや、Wアンコールにはナインティナインの岡村隆史が乱入し、8人体制の“オカザイル”としてパフォーマンスを披露するという予想外の展開で会場を沸かせた。さらに12月12日には、DOBERMAN INC(DOBERMAN INFINITYの前身グループ)とSoweluをゲストに迎えた「24karats -type EX-」や、TAKAHIROが作詞を手がけた「I Believe」などを収録した6thアルバム『EXILE LOVE』をリリース。12月30日には「時の描片 〜トキノカケラ〜」で『第49回レコード大賞』最優秀歌唱賞を受賞し、翌31日には『第58回NHK紅白歌合戦』で「Lovers Again ~紅白バージョン~」を披露して、7人は怒濤の2007年を締め括ったのだった。

EXILE / 時の描片 ~トキノカケラ~

 そして2008年、今も恒例となっている一大イベント「PERFECT YEAR」が幕を開ける。6年に一度開催される本イベントは、1年間に渡ってLDH所属アーティストによるライブやイベント等を行う、いわばLDHの祭典。初回の『EXILE PERFECT YEAR 2008』は、5つの企画を行うことが年明けに発表された。まずは“ベストアルバム3枚リリース”。2007年にはMAKIDAI、MATSU、ÜSA、AKIRAによって始動した、劇団EXILEの原型である“劇団EXILES”の5月公演が決定。LDHのアニメーションプロジェクトの先駆けといえる『エグザムライ』の本編発売。自社で発行する雑誌『月刊EXILE』の創刊。そしてEXILEとして初のドームツアー開催という5つである。その宣言通り、EXILEは『EXILE CATCHY BEST』(3月26日)、『EXILE ENTERTAINMENT BEST』(7月23日)、『EXILE BALLAD BEST』(12月3日)という3パターンのベストアルバムをリリース。他にも、2月27日には27thシングル『Pure/You're my sunshine』、デビュー記念日(9月27日)を目前に控える9月24日には28thシングル『The Birthday ~Ti Amo~』をリリースし、お祭りムードが高まる中、ホールツアー『EXILE SHOWCASE LIVE 2008』(10月2日~10月28日)と、5大ドームツアー『EXILE LIVE TOUR "EXILE PERFECT LIVE 2008"』(11月29日~12月31日)を開催した。最終的に全国40万人を動員したドームツアーのステージで、HIROは「ファンの皆さんの支えがなかったら成立しない1年だった」、ATSUSHIは「あらためてEXILEにいて幸せだなと思った。いろんなことがあったけどドームツアーにたどり着くことができた。純粋な気持ちは忘れたくない」(※6)と想いを伝える。EXILEとして数々の偉業を成し遂げると共に、LDHとして新たな“伝統”を生み出した、まさにパーフェクトな2008年が終わろうとしていた。

 ATSUSHIが「7人の時の思い出って、短い割には色濃く残っている」(※7)と語るように、激動の中でも密にコミュニケーションを取り合い、絆を深めてきた7人。彼らがEXILE第二章として過ごす時間もまた、意外にも、間もなく終わりを迎えようとしていた。

EXILE / Ti Amo

※1:https://times.abema.tv/articles/-/8651664
※2:https://www.musicvoice.jp/music/190595/
※3:https://realsound.jp/2021/08/post-833915.html
※4:https://realsound.jp/2020/10/post-633499.html
※5:https://www.tokyoheadline.com/385066/2/
※6:https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/11/30/kiji/K20081130Z00001620.html
※7:https://youtu.be/UkxChs9RkJo

関連記事