=LOVE、徹底的に磨き上げられた表現力 グループの進化を見せた4周年記念コンサート
=LOVE(以下、イコラブ)のデビュー4周年記念コンサート『=LOVE 4th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』が、9月20日に幕張メッセイベントホールで開催された。
昨年のデビュー3周年記念ライブを振り返れば、最も大きなトピックになるのは活動を休止していた髙松瞳のサプライズ登場である。それからの1年間のグループの歩みを辿ると、8thシングル『青春”サブリミナル”』、1stアルバム『全部、内緒。』、9thシングル『ウィークエンドシトロン』といった3作品のリリース、さらに日本武道館公演を含むツアー『You all are "My ideal”』、横浜アリーナでツアーファイナルを迎えた全国ツアー『全部、内緒。』の開催と、グループがまさに飛ぶ鳥を落とす勢いであることが分かるだろう。
そして見事なのが、4周年記念コンサートの直前に『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)への初出演を決めていることだ。プロデューサーの指原莉乃が後ろで見守る中、メンバーは最新シングル曲の「ウィークエンドシトロン」を披露。Twitterでは「#イコラブMステ」が日本のトレンド1位、さらには世界トレンド上位を獲得する大きな盛り上がりを見せた。
そこでイコラブに興味を持った新規ファンの受け皿としても機能していたのが、dTVを通して有料生配信も行われた今回のデビュー4周年記念コンサートである。イコラブに限らずアイドルにとって周年コンサートとは、ほとんどの場合がデビューからこれまでの軌跡、もしくはその年の活動を辿っていく特性上、初見のファンも楽しみやすいコンサートと言える。それに加えて、今回は3周年記念の際に披露していた長尺のコントやメンバーのソロ曲などは封印。グループとしてのイコラブをひたすら見せていく、まさにスタンダードなコンサートは、より新規のファンにとって受け入れやすい公演であったことだろう。
また、デビューシングルの『=LOVE』から最新シングルの『ウィークエンドシトロン』、さらに『全部、内緒。』のアルバム曲に至るまで満遍なく披露しているセットリストも、そんな『Mステ』から興味を持ったファンを取り込もうといった狙いが見えるポイントだ。先述した周年コンサートの特性と言ってしまえばそれまでかもしれないが、イコラブの場合、そのようにストレートに披露していったとしても、グループの様々な表情が見えてくるのが強みでもある。
「=LOVE」「青春”サブリミナル”」といった髙松瞳がセンターを務める楽曲では王道清純派アイドルのイメージを、「手遅れcaution」「ズルいよ ズルいね」といった野口衣織や齊藤なぎさの表現力が際立つアダルトな楽曲、「Want you!Want you!」「ウィークエンドシトロン」といったナンバーではノリノリのラップにも挑戦し、クールな表情も見られるようになった。そこに、指原の繊細なリリックが冴え渡る、新生活と恋の始まりを描いた春のナンバー「桜の咲く音がした」やタオルを振り回すアッパーチューン「Oh!Darling」といったアルバム曲が加われば、さらに世界観は広がっていく。イコラブの表現力を底上げしたのは間違いなく「手遅れcaution」のタイミングであるが、「ズルいよ ズルいね」ではソロパート中心の歌唱力を重視した歌割りを、「CAMEO」では強化合宿を行いダンススキルや表現力を、それぞれ徹底的に磨き上げていった。一つのコンサートの流れで観ていると、青春アイドル曲にも、初々しさとは違った瑞々しさとして、その成果が表れているように思える。