花江夏樹、下野紘、松岡禎丞、日野聡……『鬼滅の刃』キャスト、人々を“声優沼”へ誘った活動を辿る

『鬼滅の刃』を入り口に引き込まれる“声優沼”

 そして煉󠄁獄杏寿郎を演じた日野聡も、『鬼滅の刃』の出演を通してその名前がアニメファン以外にも広く知れ渡った1人だ。海外ドラマ『ワンだー・エディ』などの吹き替えを経て、テレビアニメの声優として活動を開始。代表作は『灼眼のシャナ』シリーズの坂井悠二、『NARUTO -ナルト-』シリーズの絆(サイ)、『ハイキュー!!』(毎日放送・TBS系)の澤村大地、『斉木楠雄のΨ難』の灰呂杵志、『Free!』シリーズの芹沢尚、『オーバーロード』(AT-X・TOKYO MXほか)のモモンガ/アインズ・ウール・ゴウンなど。日野もまた、『鬼滅の刃』に出演する以前から数多くの人気作品でメインキャストを演じてきたのだ。

 『鬼滅の刃』出演以降もさらに活動の幅を広げており、『愛の不時着』(Netflix)でヒョンビン演じる主人公リ・ジョンヒョク役の吹き替えを担当しているほか、『ハロー!ちびっこモンスター』(NHK Eテレ)や『ショウアップナイター』(ニッポン放送)などナレーターとしても活躍。10月スタートのアニメ作品でも、『月とライカと吸血姫』(テレビ東京、BS日テレほか)、『MUTEKING THE Dancing HERO』(TOKYO MX、テレビ大阪ほか)、『takt op.Destiny』(テレビ東京系)などに出演し、さらにその活躍を目にする機会が増えそうだ。

 どの声優も個性的な声であることはアニメファンの間では知られているが、普段あまりアニメを見ない人や声優に意識が向かない人にとっては、その声だけで誰が演じているのかを判別することは難しいだろう。しかし、『鬼滅の刃』のインパクトは大きく、見た人ならば日野や花江らの声がキャラクターやストーリーと共に頭に残ったはず。その上で様々なキャラクターの声や番組のナレーションなどを聞き、「あの人の声だ!」「こういうこともやっているのか!」と驚いた人もきっといるはずだ。そして、気がつけば徐々にその人の声を追いかけてしまっているーーそれこそが“声優沼”の入り口だ。

 『鬼滅の刃』の声優陣の個性溢れる声とこの1年の活躍は、視聴者を声優という奥深い沼の淵に誘っているのかもしれない。

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