OH MY GIRL、チャートを塗り替え続ける7人の魅力 多彩なパフォーマンスで確立された“独自のアイデンティティ”とは?
9月22日にOH MY GIRLのJapan 2nd Single『Dun Dun Dance Japanese ver.』がリリースされた。これを機に、今回は改めてグループとしてのOH MY GIRLの魅力を振り返ってみたい。
OH MY GIRLは2015年4月21日にWMエンターテインメントからデビューした7人組ガールズグループ。先輩グループにはB1A4、後輩にはONFと男子グループが多いが、元IZ*ONEのイ・チェヨンも同じ事務所に所属している。
デビュー曲では、「CUPID」というタイトルにちなんで、背中に羽をつけた妖精のような清純派コンセプトで登場したOH MY GIRLだが、最初にK-POPファンの間で話題になったのは2枚目のミニアルバムのタイトル曲だった「CLOSER」だろう。童話をモチーフにした幻想的なイメージと、上から見ると星座を描くようなダンスの動線が神秘的で独特な雰囲気を表現していた。OH MY GIRLの楽曲は「ファンタジックで清純」と「明るくて溌剌」という2つのイメージを行き来している印象があるが、前者のコンセプトに当てはまる「CLOSER」「Secret Garden」「五番目の季節」などは特にファン層の趣向にヒットする要素があり、後者のイメージの「LIAR LIAR」「Coloring Book」「BUNGEE」などはより大衆にアピールする魅力を持っていると言える。OH MY GIRLはデビュー時からアーティスティックになりすぎず、商業的な方向にも行きすぎず、その間のちょうど良いラインを意識しながら、グループの根本となる独自のアイデンティティを築き上げていったのだ。
もともと清純なイメージのグループでありながら、女性ファンの割合も高いのがOH MY GIRLのもうひとつの特徴とも言えるだろう。特に、TWICEやEXID、Red Velvetといった女性グループのメンバーがファンを公言することも多く、「ガールズグループのガールズグループ」という呼称を持っている。清純で少女的なイメージの中にも、素敵な日記帳に名前をつけて秘密を綴るような、リアリティとファンタジーを同時に内包した愛らしさを持つ部分が同性からも共感されやすいのかもしれない。
デビュー以降活発な活動を続けて、地道にファンダムを広げていたOH MY GIRLが、大衆的に大きな注目を受けるきっかけとなったのは、2019年にMnetで放送された女性グループサバイバル番組『Queendom』だろう。現役のグループがカムバックをかけて様々な課題でバトルするという内容だったが、特にOH MY GIRLは普段のカムバックではあまり見せてこなかった様々なコンセプトを昇華して、高評価を獲得し準優勝した。特にLOVELYZの楽曲を韓国の伝統的なコンセプトでカバーした「Destiny」や、原曲とは異なるダークでゴシックなイメージで再解釈した「Twilight」のステージは、ステージで1位となり、ネットでも話題に。OH MY GIRL特有のファンタジックでどこか品のあるイメージは壊さないラインを守りつつ、従来のカムバックではあまり見せることのなかったイメージやパフォーマンスによって、多彩な姿を表現していった。
OH MY GIRLは、メインボーカルをスンヒ(SEUNGHEE)とヒョジョン(HYOJUNG)、ラップをミミ(MIMI)が担当しているほか、中間のブリッジパートなどをユア(YOOA)とビニ(BINNIE)、ジホ(JIHO)とアリン(ARIN)が分担していることが多く、曲によって担当範囲をフレキシブルに変えられるのも魅力と言える。これは曲ごとに最も消化力が高かったメンバーを生かしているということであり、メンバー間のボーカル能力に大きな差がなく、全員がクオリティの高いボーカリストとして機能しているという証左でもある。