日向坂46 河田陽菜、20歳の誕生日を迎え止まらぬ快進撃 天然なキュートさと凛々しいパフォーマンスが魅力に

 そんな河田がブレイクスルーするきっかけになったのが、(無意識に)メンバーの鏡を借りパクしたり、加藤史帆のアンケート用紙を散髪マット扱いするなど、天然だからこそ生まれた泥棒キャラ。すでに『ひなあい』で卒業宣言をしているが、泥棒キャラが定着したことで活躍の場が広がり、番組でも注目度が増している印象だ。

 河田の活躍に関してこの1年で一番インパクトが大きかったのが「君しか勝たん」での個人PV「かわだっち」ではないだろうか。育成型スマートウォッチとして河田を育てるという河田原案のシュールな内容で、画面の中でメイド服姿の河田が歌って踊るというもの。河田のアイデンティティが詰まった内容と小悪魔的な可愛さで、82万回再生を記録し、人気の高さ証明した。

日向坂46 河田陽菜『かわだっち』

 さらに、出身の山口県に貢献する仕事を一つの目標に掲げていた河田が、今年1月に『山口放送開局65周年記念 追跡!長州ツイートトラベル』(日本テレビ系)に出演したのも、今年の河田を象徴する話題。また『沼にハマってきいてみた』(NHK Eテレ)でも、ソロ出演で爪痕を残していた。最近はバラエティでも音楽番組でも楽しんでいる姿が目立つようになっているが、決して順風満帆なわけではなく、5月24日に放送された『しゃべくり007』(日本テレビ系)で、「老若男女」が言えずに、くりぃむしちゅー・上田晋也から何度も振られ、涙をこらえながら必死にチャンレジしたことで話題になったのも記憶に新しい。

 音楽面では「君しか勝たん」で2度目のフロント入りを果たしたことは前述の通りだが、2ndシングルからシンメが続く丹生明里との“おみそしるコンビ”が注目されている。さらにパフォーマンスでも、フロントに立つ「ドレミソラシド」や「君しか勝たん」などの明るく爽やかな楽曲でハッピーを振りまいているが、ライブでの河田は年々エレガントな格好良さが増している。

 7月に行われた『W-KEYAKI FES.2021』での活躍にも注目しておきたい。3日目で歌われた「キツネ」では休業中の小坂菜緒の代わりにセンターを務め、凛々しいパフォーマンスを披露。他のメンバーのパワフルなダンスとは違った印象で、日向坂の表現の幅が広がったように感じた。「君しか勝たん」でフロントに選ばれた際に「後ろに隠れて生きてたい。そういう気持ちがなくなるように頑張ろう」と語っていた河田だが、この一年間で一番成長したメンバーだと感じる。『日向坂46の「ひ」』(文化放送)でのトークが軽快な河田だけに、ラジオでの活躍も期待したいところ。インタビューで「20歳になり変わったこと」を聞かれ「前よりも胃袋が大きくなった」(『blt graph.vol.67』より)と話す天然なキュートさを残しつつ、マイペースに活動の範囲を広げていってほしい。

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