新しい学校のリーダーズ、レベルアップした姿見せたワンマンライブ キャリア7年目に突入した4人の現在地

新しい学校のリーダーズ、ワンマンレポ

 開演前に流れた物販アイテムの紹介動画で、SUZUKAは「青春日本代表靴下(黒)」を紹介するとき「この靴下も再販するみたいで」と脱いだ靴下(白)を見せてニヤッと笑った。照れ臭そうなふてぶてしいようないい笑顔だった。

 『無名ですけどワンマン~七年目のセーラー服、脱がさないで。~』は昨年12月以来7カ月ぶりのワンマンライブ。この間に「NAINAINAI」で88risingから海外デビュー(1月)、インドネシアのラッパー、ウォーレン・ヒューとの共演曲「FREAKS」リリース(3月)、Hey! Say! JUMP「ネガティブファイター」振付(同)、ウォーレン・ヒューとリッチ・ブライアン、ニキの「California」MV出演(5月)など、コロナ禍で活動に制約がかかる中でも着実に知名度を上げてきた。TikTokのフォロワーは260万人を超えたそうだし、この日のチケットも入場者数に制限があるとはいえわずか6分で売り切れたと聞く。

 幸運な現場の観客に加え、配信画面の向こうで世界のファンが見守るステージに4人が姿を現したのは、開演時間ちょうどの17時。オープニングは今や新たな代表曲というべき「NAINAINAI」だ。ゆったりしたBPMを細かく刻んだビートはリアルダンサーの腕の見せどころ。リズムを食ったりわざとモタったり、ガヤ感のある4人の絡みが心地よい。冒頭でATARASHII GAKKO!として一発カマし、続く「最終人類」で新しい学校のリーダーズに回帰するような感触があった。

 「7カ月ぶりのライブですけど、わたしたちレベルアップしてここに立っておりますので、そちらに注目して見てください」とSUZUKAが簡潔にMCし、阿波踊りや「We Will Rock You」(QUEEN)のムーブを取り入れた「透明ボーイ」、さらに「オトナブルー」と「恋文」の歌謡メロディmeets凶悪ビート2連発。ビート、歌詞、メロディに合わせた動きを自在に入れ替えながら展開するプレイフルなダンスは見飽きない。

 プールの授業があるのに腋毛の処理を忘れた、という寸劇から、腋の下に長い長い毛をつけて「まさ毛カンナヴァーロ」。〈だって 女子HA 所詮 SO ANIMAL〉という歌詞に冒頭で触れた脱ぎたて靴下のイメージが重なり、“正しく体臭のあるアイドル”という言葉が思い浮かぶ(リーダーズはアイドルを標榜してはいないが)。女子も男子もANIMAL、いやHUMANなのだ。人間だから毛も生えるし汗もかくし臭くもなる。我々があたかも前提のように思っている“ムダ毛”処理に自然と疑問を抱かせてくれる名曲である。

 ダンボール製のバスのセットを手にMIZYUとKANONが歌う「楽園にて、わたし地獄」とMIZYUがスタンドマイクで歌う「ワカラナイ」は創作ダンスっぽい動き、MIZYUの切々とした歌唱のおかげもあって文化祭バイブス全開。「スリラー」(マイケル・ジャクソン)のゾンビの動きを取り入れ、同曲の高笑いをサンプリングして笑わせる。SUZUKAがセンターに移って、「最終人類」と並ぶリーダーズの十八番「恋ゲバ」。いつ見てもダイナミックなダンスが、フロアを震わせるエネルギーを放出していた。

 「今日は話したいことがあって、ここのMCで言おうと思ってたんです。ちょっと身構えてもらっていいんですけど」と気を持たせて、SUZUKAはライブのタイトルに“七年目のセーラー服、脱がさないで。”の文言を入れた理由を語り始める。いわく、高校を卒業して2年ほど経ち、セーラー服が実年齢に合わなくなったと。「4人で深く深く話し合って、じゃあみんなに言おか、ってなったんですよね」と4人で肩を寄せ合い、「わたしたち、7年目ということで、セーラー服を、ぬ……(間を置く)ぬ、脱ぎ……(嗚咽)脱ぎ……ませーん!」

 観客をホッとさせて「セーラー服を脱がさないで」をひと節歌い、海外でもセーラー服で戦い続けることを約束。個人的にはむしろ30歳、40歳になっても着続けてほしい。この話に先立って「今日は久しぶりのライブで……」と言うと唐突にうつむき「ほんま楽しいな!」と語りかけ、何かと思ったらお腹を指さしてメンバーに「子宮に言うてんねん。おるから」(何が?)と話すなど、SUZUKAはこの日も終始ひたむきにちょけてちょけてちょけ倒していた。なんとチャーミングな人でしょう。

 MIZYUがボーカルエフェクターを手にその場で声を変えながら「チラチラチラミー~試験当日~」、そして目下の最新曲「FREAKS」。「NAINAINAI」と同路線のヒップホップナンバーで、H ZETT Mによるピアノロックとはフィーリングがかなり違い、配置に気を遣った形跡がうかがえる。彼女たちのライブはある意味で過渡期にあるのだろう。ブレイキングやポッピングからジャズ、パラパラ、音頭、さらにはジェスチャーやマイムまで、多種多様なムーブが混淆したダンスは圧巻だ。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる