Brave Girls、2PM……チャート逆走後のカムバックでもヒット 成功のポイントは?
韓国の音楽業界でよく耳にする国内音源チャートの「逆走」。これは音楽チャート外にいた曲が、ひょんなきっかけで大衆に注目され、チャートを上がってくる現象のことをいう。最近では、Brave Girlsが2017年にリリースした「Rollin’」でチャートを逆走し、音楽番組でも軒並み1位を獲得したことが記憶に新しいだろう。
日本で人気の高い2PMも、2020年にその逆走劇の主役になった。2015年にリリースした「My House(우리집=ウリチブ)」が音楽チャートを逆走し、注目を浴びたのだ。そして、メンバー全員が兵役を終え今年6月、「完全体」で復活を遂げた。
今回は、この逆走劇を成し遂げた後の2グループのカムバックを受け、成功のポイントについて考察してみたい。
Brave Girls「Rollin’」での逆走、そしてカムバでの成功
Brave Girlsの「Rollin’」は2017年3月に発表された楽曲だ。チャートを逆走し始めたのは、今年3月のことだった。きっかけはYouTubeにアップされた韓国陸軍慰問ステージ(※1)。そこから口コミで大衆の関心に火がつき、音源チャートを逆走し、音楽番組も制するという、まさにドラマチックな展開を迎えた。
Brave Girlsは、熱が冷めやらぬうちにカムバックをすることになる。6月に発表された「Chi Mat Ba Ram」(『Summer Queen』リード曲)は、夏にぴったりのサマーソングで、配信後から韓国内の音源チャートでは軒並み1位を記録しいわゆる「音源チャートオールキル」に。MVの再生回数も1日で1000万回再生を超えた。
「Rollin’」が逆走ヒットするまで、解散寸前にまで追い込まれていたというBrave Girlsは、逆走をきっかけに「Chi Mat Ba Ram」で本当の「再ブレイク」を果たしたと言えるだろう。
2PM「My House」の逆走からの約5年ぶりの完全体復活
2020年の「My House(ウリチブ)」逆走劇(※2)からリリースが待たれていた2PMも、6月に7thフルアルバム『MUST』でカムバックを果たした。メンバーの入隊で活動を休止してから5年ぶりの完全体となる。
2PMの「My House」も、Brave Girlsと同じようにYouTubeの動画がきっかけで逆走劇を巻き起こした。当時、2PMはメンバーが入隊中だったため、Brave Girlsのようにすぐにカムバックをすることはできなかったが、『MUST』は、前回のアルバム『GENTLEMEN'S GAME』の初日音盤売上を大幅に超えた、31,494枚を売り上げた。音源チャートにもランクインを果たし、タイトル曲「Make It」のMVは2日で再生回数1,000万回を超えた。今回の成績は、「My House」による一過性のブームではないと言えるだろう。
また今回のカムバックでは、JYPエンターテインメントから51Kに事務所を移籍したテギョンを含めた「完全体」でのカムバックになったことも注目された。事務所がバラバラになり、揃って活動することが難しくなるグループが多い中で、2PMの完全体復活はK-POPグループが長く活動していく希望になっただろう。