WATWING、高いパフォーマンス力とキャッチーな楽曲で大きく羽ばたく メジャーデビュー発表したワンマンライブレポ

WATWINGメジャーデビュー発表

 老舗芸能プロダクション ホリプロに、これまで男性ダンス&ボーカルグループがいなかったというのはちょっと意外だ。2019年の『Star Boys Audition』を経て結成された初の男性ダンス&ボーカルグループ・WATWING(ワトウィン)は、「WAT(「何?」のスラング)」×「WING(翼)」から名付けられた。

WATWING(写真=RYUYA AMAO)

 23歳のリーダー、古幡亮を筆頭に、髙橋颯、鈴木曉、八村倫太郎、そして現役高校3年生の桑山隆太、福澤希空からなる6人組。グループ活動以外にも、各人がミュージカルやラジオ、テレビで幅広く活躍している。

 そんな彼らが7月19日にワンマンライブ『WATWING Summer Live ~Welcome Windy~』を開催。そこで、さらに大きく羽ばたくチャンス……、9月22日にトイズファクトリーからメジャーデビューすることをサプライズ発表した。

 ライブに先駆けて行われた会見では、「事務所で練習していたとき、突然メジャーデビューを聞かされ、大号泣しました」と言うのは、「涙もろい」という桑山。古幡は「今日はライブの緊張よりも、メジャーデビューを発表する日……、新しい人生の一歩を踏み出す大事な日という緊張の方が大きい」と喜びを語った。

 WATWINGは2020年1月にデジタルシングル「Only One Life」でデビュー。これまでに4作のデジタルシングルと2枚のEPをリリースした。この日のライブでは、約1時間で10曲を披露。コロナ禍でも精力的に活動してきただけあり、ライブ中もメンバー同士でアイコンタクトを取る余裕も。「SHELLY」では客席にアクションを促し、「MAGIC」ではファンが振るペンライトを扇動して幸せな一体感を作り出すなど、新人ながらしっかりとしたライブ運びを見せていた。

 特筆すべきは、そのボーカル力の高さだ。ソロアーティストとしても活動し、『デスノート THE MUSICAL』でL役を務めた髙橋と、鈴木がメインボーカルにあたるが、「With you」では桑山の声が映える。古幡と八村はラップパートを多く担当しているが、歌唱もよい。バラード曲「Shooting Star」のように、6人全員がひとりずつボーカルを聴かせる曲は安定感があるし、ユニゾンになっても美しい。ここまでそろっているグループはなかなかいない。

 また、世界的ダンサーであるs**t kingzのNOPPOに振付やトレーニングを受けてきただけあり、ダンススキルも高い。リーダー古幡は、「With you」と「Shooting Star」の振付も手掛けているというクリエイターとしての一面もある。

 楽曲はR&Bをベースにしながらも90年代ポップスのキャッチーさが加えられたものが多く、楽しめる。時には「Runway」のような毛色の異なる楽曲も。最近の男性ダンス&ボーカルグループは、K-POPや本格的なR&Bを意識した楽曲が多い中、彼らのようなサウンド感は新鮮なほどにいい意味で大衆的だ。

 この日のライブのハイライトはメジャーデビュー発表だったが、ファンには、サプライズで行われた。後半戦に突入するブリッジ映像で、2019年のオーディションからこれまでの彼らの軌跡が映し出される。その流れで「メジャーデビュー決定!」の文字が見えると、コロナ対策で声を出せない客席から、静かなどよめきが起こり、中にはすすり泣く声もきこえた。会見で八村は、「(ファンの皆さんは)まさか! と思うだろうから楽しみ」と笑顔を見せたが、予想以上の反応だったのではないだろうか。

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