優里、オレンジスパイニクラブ、TETORAがそれぞれの“ロック”を見せた一夜 『REDLINE TOUR』東京公演レポ
トリを務めたのは優里。バックバンドを従え「ピーターパン」からライブをスタート。アコースティックギターをかき鳴らしながら叫ぶように歌う。バンドの演奏力に負けないどころか、引っ張るような高い歌唱力と声量に鳥肌が立つ。「手拍子で盛り上がりましょう」と煽って「花鳥風月」でさらにフロアの熱気を上げる。「先に出た二組に負けないように自分なりのロックをやります。次は友達に作ったラブソングです」と照れながら話し、スタンドマイクで「シャッター」を熱唱。そして彼の名を知らしめるきっかけになった「かくれんぼ」を繊細な表現で歌う。先の二組は衝動を伝えるロックな演奏で圧倒させていたのに対して優里は、技術と楽曲の求心力で観客を惹きつけるライブを見せていた。
ここから終盤戦。レゲエのリズムが印象的な「インフィニティ」で幸福感に満ちた空気を作り、客席からは自然と手拍子が発生する。「2年前に『REDLINE』に出た時は物販の横の小さなステージで弾き語りをしました。次に出演する時は大きなステージでカッコいい出演者と共演したいと夢見ました。ここで僕が歌うことで、夢が叶うことを証明できているかと思います」と思いを語り、ロックサウンドの「飛行船」を激しく演奏し歌う。前半のMCで宣言していた「自分なりのロック」を体現しているようだった。ラストに披露されたのは大ヒット曲「ドライフラワー」。イベントの最後に相応しい感動的な余韻を残してライブは幕を閉じた。
ジャンルも音楽性も様々な3組が揃ったイベントではある。しかしそれぞれが「自分なりのロック」を鳴らしていて、来場した観客もそれぞれのロックを受け入れて楽しんでいた。コンセプト通りに、境界線を無くして音楽の素晴らしさを伝えてくれるライブイベントだった。
■セットリスト
<オレンジスパイニクラブ>
01.37.5℃
02.またあとで
03.スリーカウント
04.みょーじ
05.駅、南口にて
06.タルパ
07.キンモクセイ
08.急ショック死寸前
09.たられば
10.敏感少女
<TETORA>
01.友達、以上
02.素直
03.嘘ばっかり
04.ピースシーズ
05.覚悟のありか
06.ずるい人
07.知らん顔
08.今日くらいは
09.レイリー
<優里>
01.ピーターパン
02.花鳥風月
03.シャッター
04.かくれんぼ
05.インフィニティ
06.飛行船
07.ドライフラワー
■ツアー情報
『REDLINE TOUR 2021 SUMMER』
7月16日(金)
名古屋
名古屋国際会議場 センチュリーホール
OPEN 17:00 / START 18:00
優里 / オレンジスパイニクラブ / PEDRO
7月17日(土)
大阪・Zepp Namba
OPEN 17:00 / START 18:00
優里 / オレンジスパイニクラブ / Vaundy