ソロアイドル 寺嶋由芙が明かす、“好き”を仕事に繋げる方法 多岐にわたる活動の軸も

寺嶋由芙が明かす、活動の軸

“好きなこと”を否定された経験がないまま今日まで来れた

――好きなものをちゃんと仕事に繋げてますね。

寺嶋:自分でも諦めの悪い性格が面倒臭いと思うんです(笑)。でも、好きなものは嫌いになりようがない。「昔はすごい好きだったのに今は嫌いだ」と思っているものが1つもなくて。多分、一生付き合っていくものだから、そうであれば仕事になったらすごくお得だし、せっかく好きなものを見つけたなら、なるべく関わっていたい。教員免許を取ったのも同じ理由なんですよ。国語の授業が好きだったので、ずっと国語に関わっていくにはどうしたら良いのかと考えた時に、教員免許を取っておこうと。好きなものに近づくにはどうしたらいいかは、常に考えてますね。

――好きで居続けることが一番大変だと思うんですよ。多くの人は仕事に繋げる前に心が折れてしまう。だけど、寺嶋さんはずっと一途ですよね?

寺嶋:一途ですよー!(笑)

――それは何でですか。

寺嶋:例えば、とあるアイドルを推していたヲタクが、急にアンチになったりするじゃないですか。「好きは嫌いの裏返し」と言う人がいるけど、全然わからない。好きは好きです(笑)。

――好きすぎて、逆に憎くなるということだと思うんですよ。

寺嶋:いや、わからないですね。好きすぎて、より好きですね(笑)。

――それはなぜなんでしょうね。

寺嶋:振り返ると、好きなことを否定される経験がないまま今日まで来たのが、私の恵まれていたところで。キャラクターに関しては親も好きだったので、人形やグッズに囲まれているのが当たり前の家庭で育ってきたし、友達もみんないい人だったので、恋バナをしてる時に私がゆるキャラの話をしても「最近はそのキャラ好きなんだ」って同じテンションで聞いてくれるんですよ。そういう環境で生きてきたことで、好きなものは好きと言っていいんだなと思わせてもらえた気がしてます。

――寺嶋さんって自分の好きなものを伝えたい熱量が高いから、喋っていると「ゆるキャラ」も「サンリオ」も面白そうに思えるのが良いですよ。

寺嶋:布教側のヲタクなので、自分の中に留めておけないタイプではあります。それが第三者に鬱陶しく思われるかもしれないけど、良いものだと思ってくれる人が増えているなら嬉しい。自分の作品に関しても、そういう熱量で伝えていけるように自信を持って頑張ろうと思います。

朗らかに、ひょうひょうと生きている人でいたい

――それこそ最新アルバムの話にふれると、表題曲「サバイバル・レディ」は寺嶋さんのアイドル人生を振り返った内容ですよね。改めて、どうサバイブしてきたと思いますか。

寺嶋由芙/Yufu Terashima - サバイバル・レディ /survival lady (Official Music Video)

寺嶋:「サバイバル・レディ」は、私が早稲田大学の頃にお世話になったトミヤマユキコ先生に作詞をしていただきまして。〈現実(リアリティ)に打ちのめされても〉って歌詞がありますけど、割と自分は現実主義な気がするんです。それに、加藤千恵さんに書いてもらった「わたしになる」という歌に〈いつだって現実が好きだよ〉という歌詞があって。やっぱり、生きていく上で現実しかないじゃないですか。もちろん夢を持っていたいけど、大事なのは現実だから、その現実を好きでいたい。改めて私の略歴を振り返ると、10代でアイドルオーディションに落ちまくりました。19歳でやっと受かったと思ったら、そのグループで色々ありました。なんとか拾ってもらって、ソロアイドルになったけどレーベルを移籍し、事務所を移籍し、事務所も辞めて29歳でフリーになって……すごく悲惨に見えるかもしれない。だけど、オーディションに落ちまくったのに、なんとかグループに受かった。グループから離れたけどソロデビューができた。ソロデビューして事務所の契約が切れちゃうけど次の所が拾ってくれた――これをすごく苦しいサバイバルをしてきた人の物語として読むか、大変だったけど「いつも良いところに収まるね」と思ってもらうかは受け取り方次第じゃないですか。

――ご自身としてはどうですか?

寺嶋:渦中にいる時は大変だったけど、後から振り返ると本当にラッキーなアイドル人生だと思ってます。

――たくましいですよね。

寺嶋:たくましいと言ってもらえることもあるんですけど、マッチョにはあまり見られたくなくて。朗らかに、ひょうひょうと生きているように見える人でいたい。まさに、みうらじゅんさんですよね。注目される立場なのでいろいろなご苦労もされているかもしれないけど、いつもすごく楽しそう。トミヤマ先生もそうなんですよ。女性の労働について考える立場だから、時には嫌なことも見聞きしてきただろうし、大学の中で女性研究者というのが少ないから大変な思いをされることもあると思うけど、何かいつも楽しそうにパンケーキ食べているみたいな。そういう、ひょうひょうと朗らかに生きているように見える方に憧れます。

――「ひょうひょうと朗らかに生きている」で言うと、サンリオやゆるキャラも当てはまりますね。

寺嶋:そうそう! キティちゃんも大変なことがきっとあると思うけど、いつも可愛いですもんね。それは大事だなぁ。ポムポムプリンもそういうところを私は尊敬しています。

―― 30歳を前にこれからの話を聞かれる機会も増えていると思うんですけど、どのように考えていますか。

寺嶋:長く頑張ることが目標なので「来年武道館をやります」とか、わかりやすい目標を言えないのが申し訳ないんですけど。あ、でもワンマンライブで一つお伝えできると思います。そしてゆるキャラもサンリオも、もちろん自分のアイドルとしての音楽活動も、ちょっとずつ形になってきた気がしてるので。ちゃんと花を咲かせるまで長生きしようと思ってます。

――いつまでアイドルを続けるつもりですか?

寺嶋:死ぬまでやろうと思っています。おばあちゃんになって、自分のことをアイドルと言っている人は多分いない。でも、このまま松田聖子さんがお年を召されても、ずっとみんなの中で聖子ちゃんはアイドルだと思うので、そういう感じで気づいたら一緒に年をとっていた人になれたらいいんだろうなって。年齢とか活動内容によってアイドルを名乗らなくなるということは、多分自分はない気がしています。何歳になっても「アイドルの寺嶋由芙」って言い続けると思います。

■リリース情報
『サバイバル・レディ』
発売日:2021年6月30日(水)

商品形態:アルバムCD(1仕様)
定価:3,000円(税抜価格 ¥2,727)
品番:TECI-1733 
POS:4988004161391

<収録楽曲>
M1:あたらしいわたし (作詞:加藤千恵、作曲・編曲:宮野弦士)
M2:サバイバル・レディ (作詞:トミヤマユキコ、作曲:上原子友康、編曲:真部脩一)
M3:恋の大三角関係 (作詞:zopp、作曲・編曲:藤田卓也)
M4:冬みたい、夏なのに。 (作詞・作曲:にゃんぞぬデシ、編曲:朝井泰生)
M5:君も好きだったんだね、夏 (作詞:ヤマモトショウ、寺嶋由芙、作曲・編曲:宮野弦士)
M6:君にトロピタイナ (作詞・作曲・編曲:西寺郷太)
M7:Best Honey (作詞・作曲:佐々木亮介、編曲:ケンカイヨシ)
M8:Last Cinderella (作詞・作曲:kiki vivi lily、編曲:ケンカイヨシ)
M9:みんな迷子 (作詞:松井五郎、作曲・編曲:山川恵津子)
M10:彼氏ができたの (作詞:ハナエ、作曲・編曲:藤田卓也)
M11:いい女をよろしく (作詞:児玉雨子、作曲:庄司裕、編曲:rionos)
M12:#ゆーふらいとⅡ (作詞:夢眠ねむ、作曲・編曲:rionos)
M13:仮縫いのドレス (作詞:松井五郎、作曲:中田裕二、編曲:山川恵津子)

公式サイト:http://yufuterashima.com/

サイン入りチェキプレゼント

寺嶋由芙サイン入りチェキを2名様プレゼント。応募要項は以下の通り。

応募方法

リアルサウンド公式Twitterと公式Instagramをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。 

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<締切:7月31日(土)>

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