もはや“ブレイク女優”にとどまらない 上白石萌音、カバーアルバムからエッセイまで……歌や文章でも磨かれる表現

 約3年半ぶり、5都市をまわるツアーの開催も決定している。「上白石萌音『yattokosa』Tour 2021」というタイトルは、ユーモラスでありながら、まさにその通り。ファンはもちろん、彼女にとっても“やっとこさ”の機会だろう。いまだ不安定な情勢が続くが、どうか無事に開催されるようにと願うばかりだ。

 また、現在「ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス」にちなみ、ブラックペッパーとオニオンを使った料理のレシピをSNSに投稿するキャンペーンを開催中。選ばれたレシピは、ツアー東京公演にて上白石およびスタッフのケータリングに採用されるという。

 ポップアップストアの展開や連動企画も含め、わくわくする展開が目白押しだ。

 7月1日には、9月下旬に発売予定のエッセイ『いろいろ』の予約受付を開始。本作には上白石が書き下ろした50篇のエッセイや、故郷である鹿児島への小旅行ルポ、自身が撮影したフィルムカメラスナップが掲載される。

上白石萌音 公式Instagram

 打ち合わせのなかで、自身の仕事の根底にある「大事にしてきたもの」に気付き、それをもとにエッセイを書き進めるうち「人生いろいろだな」と言えるさまざまな経験を思い出したことから、著書に『いろいろ』と名付けたという。

 カバーデザインも公開されており、タイトルの『いろいろ』は自身による直筆。Instagramをはじめ折に触れて目にするその文字にさえ、彼女らしい実直さと意思の強さ、温かい優しさを感じる。

 2020年8月23日に放送された『情熱大陸』(TBS系)では、多忙な日々のなかでも笑顔を絶やさず、ひとつひとつの仕事に真摯に向き合う姿が印象的だった。大好きな歌の仕事(映画『トロールズ ミュージック★パワー』日本語吹き替え)の現場で受けたとある指導に落ち込む姿には、声の表現を大切にしていきたいという譲れない想いを感じたものだ。放送を見た母親からは、「ほんとうのほんとうに素だったね」(※1)と言われたらしい。等身大の彼女を垣間見るエピソードだ。

『トロールズ ミュージック★パワー』本予告 10/2公開

 23歳の上白石萌音が綴る『いろいろ』。彼女が彼女である理由を、こんなにも優しく歌う理由を、ほんの少し知ることが出来れば嬉しい。

※1:オフィシャルブログより
https://ameblo.jp/mone-kamishiraishi/entry-12619964766.html

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter(@akino_ippo)

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