銀杏BOYZら参加の『Sonny Boy』、宝塚歌劇味わえる『かげきしょうじょ!!』……音楽にも期待集まる7月期アニメ
まもなく7月を迎えるが、2021年の夏アニメが続々と放送開始となる。今期はオリジナルアニメの『Sonny Boy』(TOKYO MXほか)、人気漫画が原作の『かげきしょうじょ!!』(AT-Xほか)や『ヴァニタスの手記』(TOKYO MXほか)、さらに人気シリーズの最新作『ラブライブ!スーパースター!!』(NHK Eテレ)などがスタートする予定だ。本稿では、これらの中から特に音楽に期待が寄せられる作品の注目ポイントなどを解説していく。
アジアの最先端音楽が集結した『Sonny Boy』
OKAMOTO’S、Official髭男dism、Nulbarichなどが参加した映画『HELLO WORLD』、アイドルの成長を歌と共に表現した『ゾンビランドサガ リベンジ』や『IDOLY PRIDE』、新人アーティストをキャラクターソングのボーカルに起用して話題の『Vivy -Fluorite Eye's Song-』、そしてLiSA「炎」など大ヒットを生んだ『鬼滅の刃』……音楽と作品の幸福なマリアージュによって大きな話題を集める作品が、近年続々と生まれている。2021年の夏アニメも、音楽が注目の作品が目白押しだ。
スタイリッシュなタッチのイラストで70年代から活躍する漫画家、江口寿史がキャラクター原案を務めていることでも注目のアニメ『Sonny Boy』は、銀杏BOYZが主題歌「少年少女」を提供。青春時代特有の激情とメランコリーが同居したような同曲は、ティザー映像でも一部が使われすでに話題となっている。
『坂道のアポロン』や『スペース☆ダンディ』などを手がけ、音楽センスに定評のある渡辺信一郎を音楽アドバイザーに迎えたサウンドトラックには、個性豊かなアーティストが国境を越えて集結した。
台湾のバンド・落日飛車(Sunset Rollercoaster)、映像ディレクターとしての一面も持つVIDEOTAPEMUSIC、Negiccoなどへの楽曲提供も行うザ・なつやすみバンド、東京のインディーズシーンで活躍するミツメ、大学生2人組宅録ユニットのOgawa & Tokoro、韓国の宅録アーティストの空中泥棒(Mid-Air Thief)らが、アニメのさまざまなシーンに合わせて楽曲を書き下ろした。SFと青春が融合された新感覚の作品と、特徴ある優れたアーティストたちとのタッグが、どんな相乗効果を生むのか楽しみだ。
また、7月21日にはこれらの楽曲を収録した『TV ANIMATION "Sonny Boy" soundtrack 1st half』がアナログ盤限定でリリース。感度の高い若者や江口寿史の漫画で育った世代はもちろん、音楽ファンからも話題を集めるだろう。
『かげきしょうじょ!!』には宝塚も手がけた斉藤恒芳が参加
学園を舞台にしたアイドル育成作品からは、これまで多くのヒット曲が生み出されてきたが、それらと一線を画すのは宝塚をモチーフとした人気漫画が原作の『かげきしょうじょ!!』だ。葉加瀬太郎らが在籍したクライズラー&カンパニーの元メンバーで、クラシックに造詣が深い斉藤恒芳が劇伴を手がけている。
斉藤は、『蒼穹のファフナー』シリーズなどアニメ音楽を担当しているだけでなく、実際に宝塚歌劇団の楽曲を多数手がけており、1999年には宝塚歌劇団宙組公演「激情」で文化庁芸術祭優秀賞を受賞した経歴の持ち主。公開中のティザー映像やPVでもオーケストラによる生演奏が使われるなど、音楽への力の入れようが伝わってくる。今までにない壮大でドラマチックな音楽が、物語をどのように引き立てていくのか注目だ。
また、オープニングテーマ「星のオーケストラ」を手がけるsajiは、『アヒルの空』などアニメのテーマソングを手がけるほか、中心メンバーのヨシダタクミはアニメや漫画への造詣が深いことで知られ、水樹奈々やKis-My-Ft2などへの楽曲提供も行っている。さらに、参加声優には千本木彩花、花守ゆみり、上坂すみれなど歌声にも定評のある実力派がキャスティングされていることから、キャラクターソングにも期待が高まっている。