この1年を乗り越えたゆずは強かったーー『YUZUTOWN』表現し尽くしたオンラインライブ2日間を徹底レポート

この1年を乗り越えたゆずは強かったーー『YUZUTOWN』表現し尽くしたオンラインライブ2日間を徹底レポート

 5月29日と6月5日の2日間、『YUZU ONLINE LIVE 2021 YUZUTOWN / ALWAYS YUZUTOWN』が開催された。昨年春に予定されていた全国アリーナツアー『YUZU ARENA TOUR 2020 YUZUTOWN』の全公演中止を受け、それでもアルバム『YUZUTOWN』の世界観を表現したいと企画されたもの。DAY1はもともと全国アリーナツアーでやる予定だったものを中心に披露。DAY2はファン投票の楽曲を交えながらサプライズ演出尽くしのライブに。夏の有観客ツアー開催も発表され、ファンにはうれしくてたまらない2日間になった。

『YUZU ONLINE LIVE 2021 YUZUTOWN』に込めた1年間分の思い

ゆず

 街。そこには多種多様な考えを持ち、さまざまな個性を持った人々が集まる。文化が生まれ、歴史が育まれ、未来へとバトンが繋がれていく場所。そんな街が表現されたアルバム『YUZUTOWN』を体現したDAY1は、街にまつわるさまざまな思いと、そこに生きる人々が自由にいきいきと表現された。それはライブを見た一人ひとりのことでもあり、このYUZUTOWNは、ゆずと我々が生きる街のことであり歌であると実感することができた。

 「ようこそYUZUTOWNへ!」。ライブは「夢の地図」で幕を開けた。〈いつも通りやればいい 心の準備できたら行こう HEY!HEY!HEY!HEY! スタートの合図だ〉。ゆずの2人が、まるで友達のような気さくさで、皆をYUZUTOWNへと招き入れてくれた。

 「オンラインという形ですが、1年間の思いの詰まったライブ『YUZUTOWN』をできることが本当にうれしい。ありがとうございます。最後まで、心ゆくまで楽しんでいってください」。ライブができる喜びを爆発させるように、笑顔をほころばせた2人。

 ライブはアルバム『YUZUTOWN』の楽曲を中心に、街という題材にぴったりの楽曲が選曲された。ノスタルジックな思いがこみ上げてきた「桜木町」。まるで2人を見守るように、セットの奥には観覧車が回る。北川悠仁の弾き語りから始まるフォーク調の「レストラン」は、望郷の思いが募り目頭が熱くなった。

 「まだまだ」の後に披露されたのは、キョンシーのポーズを取り入れたユニークなダンスで盛り上げた「チャイナタウン」。間奏ではカンフーバトルが繰り広げられた。「公園通り」では、ビジョンに2人の昔の写真が映し出され、歌詞の北川が楽器店でアコギを買うシーンも再現された。

 「栄光の架橋」から「SEIMEI」への流れは、スケールが大きくダイナミックなステージングで見る者の胸を打った。

 目を閉じて、思いをまっすぐぶつけるように歌った「栄光の架橋」。北川が「みんなも!」と声をかければ、〈希望に満ちた空へ〉と一緒に歌う声が、コメント欄を埋め尽くす。また「SEIMEI」は、民族的なリズムとコーラスが響き渡り、大陸を動物たちが躍動する映像が映し出された。ゆずが放つ壮大なメッセージは、オンラインでも色あせることなくまっすぐ伝わってきた。

 終盤に入る前のMCでは、「あっという間にどんどん過ぎていくのが寂しい」「あんなに練習したのに」「この衣装も1年間倉庫に吊してあって、やっと着ることができたんだよ」など、実に名残惜しそう。そして「夏も近いので」と披露されたのは、嵐に提供した「夏疾風」の、ゆずバージョンだ。疾走感溢れるソリッドなバンドサウンドで、サビ前の掛け合いでは、熱くギターをかき鳴らす2人。北川はまるで目の前に観客がいるかのように、「カモン!」とファンをあおるように声を上げた。

ゆず

 シリアスな曲が続いたところで、「イマサラ」は一転、にぎやかな楽しさ溢れるパフォーマンスで楽しませた。エキゾチックなイントロに始まり、ダンサブルなビートに合わせてユーモアたっぷりにラップも聴かせる楽曲。手を合わせて首を横に振るインド風の振り付けを踊る動画を事前に募集し、ビジョンにはファンが踊る様子が映し出された。

ゆず

 ゆずのライブでははずせない「夏色」は、タンバリンパフォーマーのGONZOによる、タンバリンのパフォーマンスでスタート。間奏では北川&GONZOのタンバリンコラボでも魅せた。「夏色」は、北川が「ばかやろう~」と叫ぶのがお決まり。この日は「コロナのばかやろう~!」と、本音をぶちまけた。しかし、それをネガティブなものとして終わらせないのがゆず。「そんなことも言っていられません。みんなで前に進みましょう!」と、ゆずらしい前向きさで曲のエンディングへと突入。カメラに向かって「全国のみんな元気ですか。愛してるぞ!」と、全国に満面の笑顔で前向きなパワーを送った。

 「この1年、ただじっと待っていたわけではありません。新曲も作っていました」。この日は、本邦初披露となる新曲「NATSUMONOGATARI」も演奏された。「過去と今と未来。「桜木町」のアフターストーリーです。ここ横浜の地から全国に発信したいと思います」。ピアノとビートをメインにした洒脱なサウンド、サビは早口でたたみかけるなど現代的な感覚で、新しいゆずといった雰囲気。ほろ苦い恋の思い出が、軽快なリズムや花火が打ち上がる演出と共に描き出され、ファンは心酔するように曲に魅了された。同曲は6月2日に配信リリースされ、公式YouTubeチャンネルには、「桜木町」のMVに出演した石原さとみが出演したVisualizer動画も公開。「心憎い演出」「最高すぎる」と賞賛の声が上がっている。

 ラストを締めくくったのは、「花咲ク街」。〈春よ来い 早く来い〉という歌詞は、今だからこそ響くものがあった。次回こそは、以前のように有観客でライブがしたいという、2人の願いとファンの思いが一つになった楽曲。コメント欄には「ありがとう」の言葉と桜の花の絵文字が溢れていた。

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