荻原梓のチャート一刀両断!
King & Prince、“海外仕様”のシングルがチャート首位に FANTASTICS、香取慎吾、Task have Funの新作も好調
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2021-05-31/
最新のオリコンチャートによれば、King & Princeの『Magic Touch / Beating Hearts』が463,795枚で1位を記録。続いて、FANTASTICS from EXILE TRIBEの『STOP FOR NOTHING』が21,189枚で2位、香取慎吾の『Anonymous (feat.WONK)』が20,109枚で3位、Task have Funの『BABYLONIA』が11,977枚で4位。1位のKing & Princeが2位以下に圧倒的な差を付けた週となった。今回は1位から4位までの4作品に触れたい。
1位の『Magic Touch / Beating Hearts』は、King & Princeの7枚目のシングル。トラップ系のビートに乗せて全編英詞のリリックをメンバーたちがワイルドに歌いこなす「Magic Touch」、洋楽的な側面とJ-POP的な側面を併せ持った「Beating Hearts」と、両曲ともに世界への意識を感じ取れる音作りが印象的。これまでの彼らの“王子様”的なイメージとは打って変わって、ワイルドかつ官能的な姿へと成長している。
どちらの作曲にもクレジットされているAdrian McKinnonは、EXO「Obsession」やSHINee「Married To The Music」「View」、f(x)「4 Walls」など多くのK-POP作品に携わってきたプロデューサーだ。さらに「Magic Touch」の振り付けを手掛けたのは、世界的なトップダンサーのMelvin Timtim。サウンドからダンスに至るまで“海外仕様”にフルモデルチェンジしたKing & Princeが楽しめる。また「Beating Hearts」のMVはボリュメトリックキャプチャを用いた最先端技術で撮影されており、“キンプリ×テクノロジー”の融合も見逃せない。7枚目にして遂げた大きな飛躍。今後の彼らの活躍により一層の注目が集まる。
2位の『STOP FOR NOTHING』は、FANTASTICSの8枚目のシングル。表題曲は国立新美術館で開催の「佐藤可士和展」でプロジェクトテーマ曲としても展開されていた楽曲。前へと向かう力強い意志を感じるパワフルなビートと、思わず体が動き出してしまうようなダンサブルなサウンドが印象的。そして〈モノトーン〉や〈インスタレーション〉、〈デザイン〉といった美術関連のワードがふんだんに用いられた歌詞に遊び心を感じる。1980〜90年代のエレクトロポップを彷彿とさせる「Play Back」や、ポップロック調で底抜けに明るく突き抜けるようなボーカルが気持ち良い「M.V.P.」といったカップリング曲にも聞きどころは多い。