EMPiRE、地道な活動で磨き抜かれた“パフォーマンス集団”としての凄み 楽曲&ライブから見るグループの現在地

 EMPiREが11月23日に幕張メッセイベントホールでワンマンライブ『EMPiRE’S SUPER ULTRA SPECTACULAR SHOW』を行うことを発表した。彼女達にとってアリーナ規模でのワンマンライブは初めてである。その発表を聞き、ようやくグループにとって相応しい規模の会場でライブが行われると思った。パフォーマンス集団として年々進化を続けている姿を観ていると、今の会場規模では実力も才能も収まり切らないのだ。

幕張メッセイベントホールワンマン開催決定 / EMPiRE’S SUPER ULTRA SPECTACULAR SHOW

 WACKとエイベックスの共同プロジェクトとして2017年に結成されたEMPiRE。気合いの入った新しいプロジェクトということもあり、グループはデビュー当初から話題になっていた。初のワンマンライブが約1300人を収容するマイナビBLITZ赤坂で行われるほどに注目もされていた。側から見たら恵まれた環境でデビューしたようにも見える。しかし実際の活動は石橋を叩くように慎重だ。2年間ほどはワンマンライブの規模はそれほど大きくなく、全国ツアーも小さなライブハウスを中心に回っている。初めてホールでワンマンライブを行ったのは2020年だ。

 注目度に見合う実力を、時間をかけてしっかりと身につけていった。急成長したわけではないし、話題に乗っかって背伸びした活動をしたわけでもない。地に足をつけて少しずつ成長した。だから今のEMPiREは大きなステージが似合うパフォーマンス集団へと進化したのである。2021年1月に行われた東京国際フォーラム ホールAで行われたワンマンライブ『EMPiRE BREAKS THROUGH the LiMiT LiVE』は、ノンストップで39曲を披露するという演者も観客も体力と集中力を求められるライブだったが、全曲でキレのあるパフォーマンスを続け、キャリアの集大成とも言える素晴らしいライブを作り上げた。

EMPiRE / HON-NO [EMPiRE’S GREATEST PARTY -EAT SLEEP EMPiRE REPEAT-] at USEN STUDIO COAST

 また、同ライブのVJやライティングは壮大で、パフォーマンスの魅力を最大限に引き出す演出だった。ライブの模様は生配信もされていたが、画面越しからも熱量と凄みがダイレクトに伝わるほどである。コロナ禍で集客人数に制限はあったものの、東京国際フォーラム ホールAは最大で5000人規模の大きな会場だ。それでも彼女達には小さいとすら感じるパフォーマンスをやってのけた。

 EMPiREは他のWACKグループと比べると、ステージ全体を広々と使ったダンスや、集合体としての魅せ方を意識したフォーメーションが多い。特に最近はその傾向が強く、大きなステージで後方から観ても映えるパフォーマンスなのだ。だからこそホールやアリーナなどの大規模な会場でも、その実力を遺憾無く発揮し、オーディエンスを楽しませることができる。

 もちろん、ライブハウスならではの魅力もある。3月19日にUSEN STUDIO COASTにて行われたワンマンライブ『EMPiRE’S GREATEST PARTY -EAT SLEEP EMPiRE REPEAT-』(通称:EGP)では、熱量がダイレクトに伝わるステージを披露。会場全体を飲み込んでしまうような凄みのあるパフォーマンスだった。ステージセットにはホールと同様に大きなスクリーンがステージ後方に設置されている。そこで国際フォーラムと変わらないキレのあるパフォーマンスで会場全体を圧倒させる。大きなステージが似合うグループになったからこそ、ライブハウスでははみ出るほどのパフォーマンスに鳥肌が立つのだ。この様子はApple MusicやYouTube Musicなどでライブ映像として配信されているが、映像として観てもその感動は変わらない。

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