King & Prince、世界に向けて踏み出した力強い第一歩 『Magic Touch / Beating Hearts』の本気度を考察
「Beating Hearts」(作詞:RUCCA 作曲:Susumu Kawaguchi / Adrian McKinnon 編曲:Susumu Kawaguchi / 田渕夏海)は、軽快にしてしなやかなポップチューン。ファンクネスとたたえたベース、華やかな管楽器の音色、シャープなギターカッティングなどが絡み合い、自然と身体が動き出すような解放的な楽曲に仕上がっている。英語と日本語を融合した歌詞も、思わず口ずさみたくなるキャッチーさ、親しみやすさがたっぷり。海外のシーンと強くリンクした「Magic Touch」に比べると、J-POP要素も加味した楽曲だと言えるだろう。
「Beating Hearts」のMVは、60台以上のカメラによる360°撮影。ボリュメトリックキャプチャ技術を採用して制作された、King & Princeにとって初めての全編フルCGによる映像作品だ。質の高いダンスはもちろん、あらゆる角度から捉えたメンバーの表情、最先端のCGを駆使した映像美も大きな見どころ。未来の都市を描いたビジュアル、独創的なエディットとともに、メンバーの切れ味鋭いパフォーマンスを堪能してほしい。
筆者は今回のシングルの合同インタビューにも参加したが、メンバーは「新しいKing & Princeのイメージを感じてほしい」「とにかくダンスにこだわった。“ジャニーズでもここまでできるのか”と思ってもらえるはず」「これまでにないくらいレッスンの日を設けて、その成果がちゃんと出ている」など、強い手ごたえを口にしていた。デビューから3年で日本のエンターテインメントの中心的存在になったKing & Princeが、アジア、世界に向けて力強い第一歩を刻みはじめるーーシングル『Magic Touch / Beating Hearts』はまちがいなく、大きなターニングポイントとなるはずだ。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。