ここから新しいOAUが始まるーー音楽を愉しむ幸せ噛み締めた日比谷野音で過ごした時間
アンコール1曲目は「最後のニュース」。抑制の効いた演奏が完璧と言いたいサウンドスケープを描き出し、TOSHI-LOWは歌詞に「COVID-19」を入れ込んで30年前に書かれた曲を現在の歌にした。後半、とてつもない説得力のあるTOSHI-LOWの絶唱と、ステージから観客に向けて当てられたライトは、「君はどうする?」と問いかけているようだった。その問いを穏やかに反復させるような「Change」で幕を閉じたこのライブは、余すところなくOAUの魅力を見せつけながら、様々な思いを喚起させた。「音楽は正しく狂わせてくれるから俺は好きです」TOSHI-LOWが中盤で言ったこの言葉は、まさに彼の音楽への姿勢を表している。型に嵌らず信念を貫く彼らならではの音楽が霞が関のど真ん中で鳴った記念すべき夜だった。