MA55IVE THE RAMPAGE、FANTASTIC6......存在感を増す“Jr.EXILE派生ユニット”

80年代カルチャーを吸収し、エンターテイナーとして成長するFANTASTIC6

 FANTASTICSのリーダー・世界と佐藤大樹を除く6人(八木勇征、澤本夏輝、瀬口黎弥、堀夏喜、木村慧人、中島颯太)によるFANTASTIC6は、舞台『BACK TO THE MEMORIES』のために誕生したスペシャルユニットだ。同舞台は今年2月から全6回に渡り放送されていた冠番組『FUN!FUN!FANTASTICS』(日本テレビ系)との連動企画であり、FANTASTIC6の他に加藤啓、大鶴義丹、田中美奈子が出演。主人公・八木勇征の両親の離婚危機をきっかけにFANTASTIC6のメンバー達が立ち上がり、80~90年代を彩った数々の名曲を演じていく中で夫婦の絆を取り戻そうと奮闘するストーリーになっている。

 FANTASTICSは昨年の主演ドラマ『マネキン・ナイト・フィーバー』(日本テレビ系)とその主題歌「High Fever」から80~90年代リバイバルに注力した動きを強めていたが、今回の舞台はそれをさらに本格的に演じたものとなる。LDHの中でも特に爽やかな歌声と甘いルックス、スタイリッシュなパフォーマンスで人気のFANTASTICSだが、6人による舞台で特に際立ったのは、彼らのコメディアンとしての魅力とポップアーティストとしてのタフさだった。

恋したっていいじゃない(Covered by FANTASTICS from EXILE TRIBE)

 先日の東京公演を筆者もオンラインで鑑賞したが、様々なヒット曲を自分達の世界に落とし込んで表現した歌とダンスはもちろん、芝居に組み込まれた中島のキレのあるツッコミや、ある意味で完成された木村の女装、甘いセリフの演じ合いなど、各人のキャラクターを生かした掛け合いは非常にテンポが良かった。難易度の高い隠し芸に生挑戦するなど、予測不可能な内容で客席を楽しませる工夫もあり、現状の彼らのエンターテイナーとしてのポテンシャルを遺憾なく発揮した舞台であった。

 J-POPに属する楽曲も多い2グループだが、ユニットによる活動がグループの音楽表現にも還元されていく中、80年代のダンスミュージックを演じこなすFANTASTICSと、クラブミュージックをより幅広く取り入れていくTHE RAMPAGEという具合に、グループとしての個性が強く出始めている昨今。さらに、現時点で発表された中でもTHE RAMPAGE選抜メンバーによる舞台『ETERNAL』や、Jr.EXILEによる総合エンタテインメントプロジェクト『BATTLE OF TOKYO』など、今後も多方面での活動が予定されている。その中でいっそう磨き上げられ進化していくであろう彼らの音楽表現は、まだまだ無限の可能性に満ちている。

■日高 愛
1989年生まれの会社員。

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