『JAPAN ONLINE FESTIVAL』二度目の開催に感じた「文脈」と「進化」

 4月3、4、10、11日の4日間、『JAPAN ONLINE FESTIVAL 2021 Spring』が開催された。

 昨年の11月以来となる、ロッキング・オンによる配信フェス。思えば2021年に入り、いわゆる『有観客ライブ』もガイドラインの遵守を前提に再び開催されるようになってきたが、その一方で今もオンラインライブは盛況だ。それぞれが全く異なる性質を持つ、互いに代替にならない関係性を有しているからこそ、どちらも新しい歩みを見せている。

 昨年ロッキング・オンが主催した『JAPAN ONLINE FESTIVAL 2020』は、オンラインならではのライブ表現、フェス開催に果敢に挑むものであった。配信ライブであることを逆手に取ったソーシャル展開や、アーティストと積極的にオンラインならではのライブ演出を作り上げ、これまでにないフェス体験をオーディエンスに届けた(『JAPAN ONLINE FESTIVAL』が突き詰めたオンラインならではの表現 主催者とアーティストが共有したこのフェスが目指す姿)。

 前回開催直後に行われたロッキング・オン・ジャパン イベント部部長の海津亮氏のインタビューでは、今後は「アーティストとお客さんと一緒に「新しいライブ文化」を生み出せるようなフィールドを提供したい」と語っていたことが印象深い(ロッキング・オン 海津亮氏に聞く、コロナ禍における新たなフェス/ライブ文化)。

 そして、初回から半年を待たずしての開催となった2度目の『JAPAN ONLINE FESTIVAL』。本稿ではこの配信フェスの核となる「映像表現」を軸としつつ、前回と比較して当フェスに生まれた「文脈」と「進化」について考えたいと思う。

 前回の3日間の開催から、今回は4日間と開催日程からもスケールアップへの想いを感じさせた『JAPAN ONLINE FESTIVAL 2021 Spring』。KEYTALKやポルカドットスティングレイ、BiSHにおいしくるメロンパンなど、前回から連続して出演したアーティストも数多い。彼らは今回の出演でまさしくこのフェスの顔、いわば「文脈」となったのではないだろうか。一方で、今回が初出演となった面々も数多い。ゲスの極み乙女。やフジファブリック、Saucy Dogやgo!go!vanillasなど、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』や『COUNTDOWN JAPAN』などのロッキング・オン企画制作のフェスには欠かせない常連バンドはもちろん、優里や-真天地開闢集団-ジグザグ、Reona、RAISE A SUILENなど、ロッキング・オンのフェスには初登場となるアーティストも顔を揃えた。今回初出演となったアーティストの中には、残念ながら昨年中止となってしまった『JAPAN JAM』や『COUNTDOWN JAPAN』に元々出演予定だったアーティストも多く、今回の出演はアーティストにとってもロッキング・オンにとってもリベンジとなるアクトとなった。

 『JAPAN ONLINE FESTIVAL』と言えば、アーティストの背後に設置された巨大LEDビジョンが前回の開催時は印象的に機能していたが、今回も巨大LEDビジョンはこのフェスの顔として健在だ。歌に合わせて歌詞が表示されたり、楽曲の世界観を拡張するような映像を映しだされたり、アーティストの熱演に寄り添い、さらにパフォーマンスを発展させる役割をLEDビジョンが果たした。また前回同様、各アーティストのライブは巨大な倉庫内で撮影された。広い倉庫の中、ギラギラと輝く照明の中にLEDビジョンが鎮座する様は、毎年幕張メッセで開催される『COUNTDOWN JAPAN』のEARTH STAGEやGALAXY STAGEを彷彿とさせるビジュアル。ダイナミックなカメラワークも相まってスケール感においても他のロッキング・オン系フェスの「文脈」を継承しながらも、同時にそれらに引けを取ることもないフェスとなった。