YUKI、YOASOBI、iri……女性シンガーが切り開くJ-POPの可能性 新譜5作をレビュー

SHE IS SUMME『DOOR』
SHE IS SUMMER『DOOR』

 “まわりの人を巻き込みながら活動していく”をコンセプトに活動してきたSHE IS SUMMER(“ふぇのたす”のVo、“みこ(MICO)”のソロジェクト)が約5年の活動を経て、遂に完結! プロジェクトを締めくくるのは、1年4カ月ぶりのオリジナルアルバム『DOOR』だ。彼女のライブメンバーでもあるMOP of HEAD・Georgeの作曲、編曲によるブルージー&エレクトロなリード曲「HOLY HOUSE」には、池田智子(ex Shiggy Jr.)、 日向ハル(フィロソフィーのダンス)が参加。さらに華やかで儚いポップチューン「JELLY FISH」では80KIDZ、先鋭的なトラックメイクと愛らしいラップが溶け合う「sloppy girl」では、ふぇのたすの元メンバー・ヤマモトショウとのコラボが実現。同世代のクリエイターを中心に有機的な共作を繰り返し、00年代後半の良質ポップスを創出してきたSHE IS SUMMERの集大成と呼ぶに相応しい作品だ。

SHE IS SUMMER / HOLY HOUSE
Miyuu『LA LA RAINBOW』
Miyuu『LA LA RAINBOW』

 オーガニックな音楽性、スモーキーかつキュートな歌声で注目を集めている大阪出身のシンガーソングライター、Miyuuの2ndアルバム『LA LA RAINBOW』。昨年7月から7カ月で配信ライブ『Miyuu Monthly Online Live~Over The Rainbow』を開催した彼女。虹の七色をテーマにしたこの企画はそのまま、本作の基本的なコンセプトに。“きついことがあっても、自分の進みたい場所を目指そう”という思いを刻んだ「indigo night」、“先が見えない時代だからこそ、悔いのない生き方を”とメッセージする「purple」など、彼女のリアルな感情が色とりどりのサウンドとともに描かれている。プロデュースは、Michael Kaneko。生楽器の響きを活かし、現代的なポップスのエッセンスを反映したサウンドメイクによって、彼女のボーカルの魅力を引き出すことに成功している。

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■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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