いよいよ迎える『ボス恋』最終回ーーKis-My-Ft2とドラマが歩んだ軌跡を振り返る

キスマイと『ボス恋』が歩んだ軌跡を振り返る

 本日3月16日、いよいよ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)が最終話を迎える。前年、社会現象とも言えるヒットを記録した『恋はつづくよどこまでも』のスタッフが再集結した本作。大きすぎる期待に見事に応え、『ボス恋』旋風とも言えるブームを巻き起こした。

 ここまでの放送で、視聴率はついに2桁を割ることはなく、初回放送の無料見逃し配信は1週間で221万回再生を記録、TBS火曜ドラマ枠歴代2位をマークした。SNSにおいてもその人気ぶりは明白で『ボス恋』関連ワードによるTwitterトレンド上位の独占は、火曜夜のおきまりだ。

 そのうちのひとつが「#ラブバイ」、Kis-My-Ft2(以下、キスマイ)が歌う主題歌「Luv Bias」である。毎話、絶妙なタイミングで流れる「Luv Bias」は、本作を美しく彩った。第9話では、奈未(上白石萌音)と潤之介(玉森裕太)の未来がすれ違ったその瞬間に、第8話では、潤之介が奈未に小さな花と、永遠に枯れない花のような言葉を贈ったときにーー「Luv Bias」の温かくも切なく聴こえる不思議な歌詞とメロディは、どんなクライマックスにもリンクする。切ない涙も、温かい涙も誘うのだ。

 2月9日、YouTubeにアップされた同楽曲のMVは700万回再生を突破(3月14日現在)、2月24日にシングルリリースされると、初週は店頭での売り切れも相次いだ。本作でキスマイは「デビュー作からのシングル連続1位獲得作品数」を27作に延ばし、歴代3位タイに並んだ(3月8日時点)。

Kis-My-Ft2 / Luv Bias MUSIC VIDEO

 また、2週目以降のチャートにおいてもコンスタントな売り上げを記録していることに注目したい。デイリーランキングでは常に上位をキープし、ときにはトップに返り咲く。累計23万枚の売り上げ(3月11日現在)は、楽曲の知名度を伴ったリアリティのある数字だ。緩やかに、だが着実に伸び続けるチャートグラフは、“初登場1位”に敏感なジャニーズアーティストのセールスにおいて、珍しい傾向ともいえる。ドラマ放送後の3月16日0時からは、レコチョクなどで「Luv Bias」の着うた配信もスタートするそうで、次の冬まで続くような、ロングセールスにも期待したい。

 「Luv Bias」は、今夏デビュー10周年を迎えるキスマイにとって、アニバーサリーイヤー初のリリース作品。さらに、ドラマタイアップという大きなチャンスも得た今回、「セールス」という目に見える形でキスマイを喜ばせたい、感謝を伝えたいと、多くのファンが願っていたことだろう。数字だけを見れば“もっともっと”と、もどかしく思う気持ちもあるかもしれない。

 実際『ボス恋』、「Luv Bias」を機にキスマイと出会い、手を伸ばした人が多いのは紛れもない事実。それは『ボス恋』がこれほどまでに現象化した今、容易に想像がつく。今後もキスマイがテレビに出るたび、歌うたび、目をやり耳を傾ける人も増えるだろう。ここからが、キスマイの新たなステージだ。デビュー10周年を迎える2021年、キスマイはこれ以上なく最高のスタートを切ったのではないだろうか。

 『ボス恋』放送開始前、玉森裕太のTBS系列ドラマでの活躍をコラムにて振り返り、本作への期待を寄せた(Kis-My-Ft2 玉森裕太、『ボス恋』で俳優として新境地へ 『リバース』『グランメゾン東京』などから確かめる演技面での成長)。そうして今、玉森の経歴に新たに刻まれた作品と役。下線を引いて、太字で書き足したいくらいだ。ラブコメディといえど、いや、ラブコメディだからこそ、ふたを開けてみれば難しい役どころだった。玉森は、かわいい、かっこいいだけではない、奥行きのあるヒーローを演じきった。そして、またも多くの視聴者に“見つかってしまった”ようだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる