浪川大輔、津田健次郎、森川智之……“声優界のジェダイ”達による『スター・ウォーズ』シリーズでの熱演
心が揺れ動くカイロ・レンを津田健次郎が熱演
また、ルークの盟友であるハン・ソロの吹き替えは、数多くの映画吹き替えで知られる磯部勉が担当。ソロ役のハリソン・フォードの吹き替え担当としてもお馴染みで、『インディ・ジョーンズ』シリーズや『ブレード・ランナー』などさまざまな作品でその声を聞くことができる。ユーモアに溢れてひょうひょうとしながら胸にはしっかりとした芯を持つハンの存在感は、磯部の声なくしては語れない。なお、3月5日には『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が地上波初放送される。
そのハン・ソロの悪友で、ミレニアムファルコン号の元の持ち主であるランド・カルリジアンの吹き替えを担当している若本規夫は、特異な個性で存在感を発揮している。米ドラマ『プリズン・ブレイク』のセオドア・"ティーバッグ"・バッグウェル(通称:ティーバッグ)役をはじめ、『人志松本のすべらない話』や『ウワサのお客さま』(どちらもフジテレビ系)など、バラエティ番組でのナレーションでもお馴染み。かつてハン・ソロらを裏切ったことがあるが、どこか憎めない人間味に溢れたランドでも発揮される若本節は必見だ。
そして、今回の『スカイウォーカーの夜明け』で物語の二本柱の一つを担うカイロ・レンを、昨年連続テレビ小説 『エール』(NHKほか)のナレーションを担当するなど、活動の場を広げている津田健次郎が吹き替えを担当している。津田と言えば、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』シリーズの海馬瀬人、『テニスの王子様』シリーズの乾貞治、『K』(MBS・TBS他)の周防尊、『Free!』(TOKYO MXほか)の御子柴清十郎、『進撃の巨人』のハンネス(Season 2以降)、『ゴールデンカムイ』(TOKYO MXほか)の尾形百之助など数多くのアニメ作品で声優として活躍するほか、コリン・ファレルの吹き替えなど洋画や海外ドラマの吹き替えを数多く手がけている。少ししゃがれた渋みのある声は圧倒的な存在感で、数奇な運命に翻弄されるカイロ・レンの声にもぴったり。正義と悪の間で心が揺れ動くカイロ・レンの演技には注目だ。
重鎮とベテランが揃い踏みといった『スター・ウォーズ』シリーズの吹き替え陣。その実力と関係性は、まるで脈々とフォースを受け繋いでいくジェダイの騎士たちのようでもある。声というライトセーバーを武器に、『スター・ウォーズ』の物語の盛り上がりに一役買っている。
■榑林史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。