森朋之の「本日、フラゲ日!」

Official髭男dism、DISH//、いきものがかり……ソングライターの魅力を堪能 最新5作をピックアップ

 話題のOfficial髭男dismの新曲「Universe」、Nulbarich 、緑黄色社会、GLIM SPANKYの提供曲、メンバーのオリジナル曲を含むDISH//のニューアルバム『X(クロス)』。ソングライターの魅力を堪能できる最新作をピックアップします!

Official髭男dism『Universe』

 『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』の主題歌として制作された「Universe」は、ルーツ音楽を現代的なポップスに結びつけてきたOfficial髭男dismの新たな高みを実感できる楽曲だ。軸になっているのは、70年代前後のブラックミュージック。煌びやかな光を描き出すピアノ、タイトなビート感と豊かなファンクネスを共存させたサウンド、そして、ソウルフルかつポップな響きをたたえたボーカル。すべての音を精査しつつ、オーガニックな音像へと導くサウンドメイクも素晴らしい。また、聴き手の人生を肯定する歌詞にも注目してほしい。“自分とは?”“人生とは?”という問いを抱えたまま、迷い、葛藤しながら生きる全ての人々に対して、ヒゲダンはヒゲダンは「Universe」という曲を通し、“そのままでいい”というメッセージを送っている。先が見えない世界のなかで、この曲は大きな福音のように響くはずだ。

Official髭男dism - Universe[Official Video]
DISH//『X』(通常盤)

 DISH//のさらなるブレイクのきっかけとなった「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」、はっとり(マカロニえんぴつ)作詞・作曲による「僕らが強く。」、北村匠海が作詞・作曲した「あたりまえ」などを含むニューアルバム『X(クロス)』。Nulbarich 、長屋晴子(緑黄色社会)、くじら 、GLIM SPANKYの提供曲は、メンバー自身がディレクションを担当し、個々の音楽的センス、クリエイターとしての資質も存分に発揮されている。アルバムの冒頭を飾る「ルーザー」は、北村匠海が作詞、DISH//が作曲によるナンバー。ブラックミュージックとロックが絡み合うサウンド、〈惨敗続きも悪くない/されど宣戦布告はやめれない〉という歌詞を含め、現時点におけるDISH//のスタンスが明確に示された楽曲となっている。ライブの臨場感が伝えるメンバーの演奏にもぜひ、注目してほしい。

DISH// 4thアルバム『X』クロスフェード 2021.02.24 in stores
いきものがかり『BAKU』(通常盤)

 2019年12月に“集牧”後、最初のフルアルバム『WE DO』を発表。本格的に再スタートを切ったいきものがかりが、33枚目のシングル『BAKU』をリリース。水野良樹が作詞・作曲した表題曲(アニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』オープニングテーマ)は、華々しいホーンセクションをフィーチャーしたアッパーチューンだ。ビッグバンド風のアレンジと演奏者の息づかいが伝わる生々しい演奏のなかで吉岡聖恵は、〈こころ 喰らうのは 未来だけ〉という強烈なフレーズを熱唱。歌謡のエッセンスを反映したメロディ、強いインパクトを感じさせる歌詞など、J-POPのスタイルを継承しつつ、斬新なポップソングに仕上がっている。カップリングには『BORUTO』の原作である『NARUTO -ナルト- 疾風伝のテーマ曲「ブルーバード」「ホタルノヒカリ」のリマスター、リミックス音源を収録。

いきものがかり「BAKU」Music Video

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