Little Parade 太志が語る、“再スタートの決意”と音楽に向き合う自由な心 「過去を無理やり切り落とさずちゃんと連れていく」

Little Parade 太志の決意

「ちっちゃな不幸を共有できるのは、音楽の良さ」

ーー「色彩の行方」で〈ママ〉というワードが出ていて、「ウィスキー」では〈お父さん〉との思い出を語っていて、この2曲にはどこかノスタルジーのようなものが宿っていると感じます。今、ご自身のノスタルジックな部分を吐き出せたのはなぜでしょうか。

太志:20代だったら書けていないんですが、自分が大人になって親の気持ちもわかるようになったことが大きいと思います。20代は親に対して被害妄想のような思いを抱くこともたくさんありました。一方で、親が僕にしてくれたことを考えていなかったという後悔もたくさんあるんですよ。子どもは親を選べないって言いますが、もちろん親も子どもを選べませんよね。こんなに好き勝手生きてきた自分とよく一緒にいてくれたなって気持ちもある。大人になって純粋に父親と母親を尊敬できるようになって、今回ちゃんと書けたのだと思います。

ーー歌にすることでより両親への思いが色濃くなったりも……?

太志:歌ったから気付くというよりも、自然な流れじゃないですかね。両親に対する気持ちをもう恥ずかしがる歳でもないですし。自分だっていつどうなるかわからないし、恥ずかしがる時間はないんじゃないかという気持ちが大きくなりました。

ーーそして「寂恋」は、ご両親への思いとは違った切り口です。

太志:これは片思いや失恋を歌った曲。1曲くらいそういう曲を書いてもいいのかなって(笑)。でもこの曲も頑張って作った曲ではなくて。曲自体も短いし、音に仕掛けを作ったわけでもないし、シンプルな3拍子の曲です。歌詞は、偶然、西陽が部屋に入ってきてセンチメンタルになったので、戻れない青春時代や20代のことを思い出して書きました。部屋で好きな人を想うって誰もが経験したことがありますよね。その寂しさみたいなものを共有し合えるんじゃないかな、と。その寂しさを共有するのってSNSじゃなくて、音楽の役目だと思うんですよ。ちっちゃな不幸を共有できるのは、音楽の良さだと思います。

ーーそうやってご自身の考えをすぐに歌詞として言葉にできることがすごいです。

太志:ずっとやってきたことなので、自分の得意分野かもしれないですね。メロディに対して言葉がハマった時の気持ちよさを知っているので、バチっと決まるための努力は惜しまないです。それに、結構パンパンとハマってくれるときがあって、曲作りってそんなに難しく考えなくていいんだなって思います。時間をかければいいってものでもありませんし。

ーー「寂恋」の最後は、〈前を向いて生きてるよ/きちんと、あの日を引きずりながら〉という印象深い言葉でこのアルバムが締めくくられていますね。

太志:パッと次に行くっていうことが自分はあまり得意な方じゃないんです。例えばAqua Timezを解散したこととか、お父さんと一緒に歩いた初詣の道とか、全部連れて行っているというか、過去も結構思い出しちゃうタイプ。過去を無理やり切り落として進むことができないので、ちゃんと連れていきたいという気持ちで書きました。だから、いろんな意味が含まれていますね、この言葉には。

「“寂しくて自由な心”でやってみたい」

ーー様々な思いが詰まったアルバムですが、太志さんなりに一言で言い表すとどんなアルバムでしょうか。

太志:「再スタート」です。あの時の続きをやるっていう感じなので、またちゃんとスタートラインに立ちました。未来のことはわからないですが、元メンバーが頑張っていると僕もちゃんとやらなきゃって思いますし、どこかで偶然会えたらいいなと考えることもありますし、もしかしたら再開もあるかもしれませんしね。

ーーアレンジャーをお願いするなど、元メンバーと交流があるのもいいですよね。OKP-STARさんともインスタライブをされていました。

太志:偶然なんですけどね。SNSのことをわかってなかったので、出てきたポップアップを押したら(笑)。でも久々に喋って面白かったですよ。

ーーそういった思いを持っている太志さんにあえて質問したいのですが、もう一度Aqua Timezを始めるという選択肢にはならなかったのでしょうか。

太志:まあ解散したので……。バンドってある種特殊な活動形態なんですよね。その喜びや苦しみは感じ切ったかなって思っています。だから1回自由にやろうと考えていて。自由って寂しさも伴うんですけど、寂しくて自由な心でちょっとやってみたいなっていう思いが今は強いです。ただ、頼りたくなったら頼れる人たちなので、一人ひとりとの再会はあったらいいですよね。覚悟を持って解散をしたのは間違いないのですが、時間が経ったらいろんなことが変わっていくのかなって思います。例えば、「群雨」を書いた段階では元メンバーたちと会ったり話したりしなくてもいいって思っていましたが、それも少しずつ変わりました。地球自体も回って季節がドンドン変わっていきますから。

ーー繋がりは変わらず大切にあるけど、一旦は自由にということなんですね。Aqua Timez時代も今も、太志さんの歌は多くの人を惹きつけます。歌う上で大切にしていることはありますか。

太志:最近は練習しないといけないと思っていて、1人で練習するようになりました。自分の書いた歌詞をちゃんと伝えるには練習しないと、って。本番って練習の積み重ねじゃないですか。一つひとつのニュアンスをきちんと歌えるように練習をして、自分が気持ちよく音楽をできるように、本番のための練習を大切にしています。歌って楽しいなって心か思える日が来ることを目指したいですね。

ーー常に努力を欠かさないその姿勢が、新しい仕掛けをどんどん発信していくことにつながっていそうです。

太志:結果を出すことで、ライブなどの演出もできることが増えていくかもしれないですね。いつかは「Big Paradeツアー」というものができたらいいなって思います。

ーーLittle Paradeとしてやってみたい音楽や歌はあるのでしょうか。

太志:僕はそんなところまでまだ至ってないです。自分がやっている音楽をまずマスターしたいというか。ジャンルよりも自分が作ったメロディと言葉を、120%表現できるようになることが自分の目標と幸せです。そういう意味では今までは「まっすぐ歌う」というテクニックしかなかったですが、音楽も物語なので起承転結をつけて歌えるようになりたいですね。ただ、親からもらった声は唯一のものなので、どれだけ磨けるかは常に考えています。死ぬまで磨き続けて終わりたいですね。

ーーでは最後に、「Little Parade」のここに期待してほしいという部分を教えてください。

太志:僕が作る歌詞やメロディは、僕にしかできないものだと思います。それをもっともっとブラッシュアップして、また次の作品に取り組みたいです。作品を追うごとに良くなっていくミュージシャンになりたいと思っているので、未来に期待してください。

■リリース情報
Little Parade 1st Mini Album『止まらない風ぐるま』
2021年1月27日(水)
初回限定盤(CD+絵本ブックレット)¥3,500+税
通常盤(CD)¥2,500+税

<収録曲>
1.on the BLEACHers
2.ユニコーンのツノ
3.色彩の行方
4.群雨
5.ウィスキー
6.寂恋

<初回限定盤特典>
豪華スリーブケース仕様
スペシャル絵本ブックレット

<初回限定盤&通常盤 同時購入者限定封入特典>
Little Parade Premium Live『止まらない風ぐるま』映像視聴コード
【映像視聴締切】 2021年3月31日(水)23:59まで
※詳しくは商品封入のチラシ参照

<チェーン別特典>
・タワーレコード全国各店/タワーレコードオンライン「ポストカードA」
・HMV全国各店/HMV&BOOKS online「ポストカードB」
・TSUTAYA RECORDS(一部店舗を除く)/TSUTAYAオンラインショッピング「ポストカードC」
・ビクターオンラインストア「ポストカードD」
・Amazon.co.jp「メガジャケ」
・楽天ブックス「ミニクリアファイル」

■関連リンク
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