石井恵梨子のチャート一刀両断!
BTS『BE』、JO1『The STAR』が1位&2位で絶好調 新時代を象徴するボーイズグループ2組、チャートを席巻する意義
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2020-12-07/
もうすでに12月初週。コロナ禍でライブやイベントが次々となくなり、まるで1年間何もなかった気さえする音楽業界ですが、毎週更新されるオリコンチャートを見ると数字はなかなか好調なのです。イベントやコンサートで直接会えない。であればアルバムをちゃんと予約する。届く音楽はもちろん、スペシャルな特典などを目下最大の楽しみとする。そんな在宅ファンが増えているのでしょう。サブスクでは結局「自分のモノ」にはなりませんからね。
そういう確かなファン層に支えられたグループが今週のトップです。1位はBTS『BE (Deluxe Edition)』。セールスは初週で19.1万枚! 言うまでもなくこれはオリコンに限らない世界的現象でして、米ビルボードのアルバムチャートも初登場1位、同時にシングルチャートも最新曲「Life Goes On」が1位になったそう。初登場で両チャートを制するのはテイラー・スウィフトに続く史上2番目の快挙、さらには韓国語のシングルが全米1位になるのはビルボードの長い歴史でも初めてのこと(参照:Billboard JAPAN)。BTSが動く時には新記録も動く。そんな表現も今や言い過ぎではないようです。
全体にメロウな曲の多い『BE』。まず思ったのはラップのパートが少なくなったな、ということ。BTSはヒップホップ・ダンスグループとしてのキレの良さやスピード感も魅力ですが、世界のトップに立った余裕なのか、あるいはあえての“攻め”なのか、今回はゆったりと歌で聴かせる曲が多い。しかも母国語で。前半と後半をつなぐ「Skit」は、韓国語でメンバーがわいわい盛り上がっているインタールードですよ。こういう曲(というか遊び心)を持ち込んでもまったく拒否されない、それどころか熱狂的に世界で受け入れられる。時代や価値観の変化を目の当たりにしている気分です。