嵐が『FNS歌謡祭』で見せてきた豪華アーティストとの共演 ゆず、松下奈緒ら“一夜限りのコラボレーション”を振り返る

 12月2日放送の『2020 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)第1夜にて、嵐と松任谷由実がコラボレーションすることが発表された。日本を代表する2組のアーティストのコラボに早くも期待が寄せられている。本稿では放送を前に、これまで嵐が同番組で披露してきた一夜限りのパフォーマンスを振り返ってみたい。

2020 FNS歌謡祭】第1夜のみどころ

松下奈緒・宮本笑里を迎えた、楽曲世界に触れるステージ

 嵐が『FNS歌謡祭』にて、過去複数回にわたってコラボしてきたのが、女優、ピアニストとして活躍する松下奈緒だ。2010年には「果てない空」を共に披露した。嵐は白い衣装、松下は赤いドレス姿で登場。音楽大学出身の松下による優しくも力強いピアノの音色と、嵐の透明感ある歌声が重なった。

 原曲の雰囲気に合わせたかのように、この時のパフォーマンスは着席スタイルに。二宮和也の後ろにバイオリニストはいるものの、ピアノの音を聴き、じっくりと楽曲と向きあう5人の姿が見られた。大きく煌びやかなシャンデリアのもと、ピアノとバイオリンの上質な音色と、嵐の伸びやかな歌声のハーモニー。シンプルでありながら贅沢な時間であった。

 2016年には松下に加え、バイオリニスト・宮本笑里を迎えて「ふるさと」が披露された。大野智から二宮和也、櫻井翔、相葉雅紀、松本潤へとバトンを渡すように一人ひとりが丁寧に歌い進め、サビ前からはユニゾンで美しいハーモニーを聴かせた。ダンスを交えた“魅せる”ステージも大歓迎だが、メンバーの歌声と共に、じっくり楽曲の世界に触れることができるのも貴重な機会。歌を大切にする、『FNS歌謡祭』ならではのステージといえる。

ゆずやスカパラホーンセクションと見せた、相性の良さ際立つコラボ

 歌を歌うことの楽しさを教えてくれたのが、2018年のゆずとの「夏疾風」でのコラボだ。嵐にとって55枚目のシングルとしてリリースされた同曲は、ゆずの北川悠仁が作詞作曲を手掛けた夏ソング。ステージでは嵐の間にギターを持った北川と岩沢厚治が並び、ただならぬ一体感が生まれていた。スタジャン姿の嵐もかわいい。

 歌い出しは北川&大野と、のっけから贅沢なハーモニーを聴かせ、続いて松本と北川が顔を合わせてにこやかに歌い継ぐ。楽曲提供にとどまらず、嵐がそのアーティストと一緒にステージで歌唱するのも珍しい。なにより2組の音楽性、歌声の相性の良さが際立ったステージだった。

 また、2015年に嵐のメンバーが息ぴったりのフォーメーションで魅せたのが、東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦らスカパラホーンズとの「GUTS!」。サックスやトランペットなどホーンセクションから放たれるキレのある音に合わせて、スーツ姿の嵐がこれまたキレのある動きと巧みなフォーメーションで魅了した。このステージでは楽器演奏の迫力も手伝ってか、表情や動きがより情熱的だったのが印象深い。聴きなれた楽曲でも、演奏スタイルやステージによって表情が変わるのもコラボレーションの魅力だ。

関連記事