aikoのライブがもたらす明日への力 エネルギッシュで遊び心溢れた『Love Like Rock~別枠ちゃんvol.2~』
aikoが10月17日、オンラインライブ『Love Like Rock~別枠ちゃんvol.2~』を開催した。
aikoが配信ライブを開催するのは今年の3月以来7カ月ぶり。その際は、新型コロナウイルスの影響でツアーが延期になったのを受け、急遽敢行した無観客ライブの無料配信だった。まだ世の中がどういう状況になるか不透明だった時期に、いち早く配信ライブに着手したaiko。今回はその第2弾である。
開演時間になると幕が下りて勢いよくスタート。車座になったバンドメンバーの中心にaikoが立っている。1曲目は「雲は白リンゴは赤」。衣装は白く照明は赤い。aikoは円形のステージを馳けまわったり、飛び跳ねたりしながら彼女らしい元気な姿を見せていく。
序盤は「あたしの向こう」「プラマイ」「ドライブモード」といったアップテンポなロックチューンで攻めていった。カメラに指を差してみたり、キックしたり、キーボードソロの箇所でその真似をしてみたりと、エネルギッシュな中に遊び心も垣間見える。
曲を終えると「前回は3月だったので、7カ月ぶりのライブです。なんとなくこの7カ月は、いろんなことがありすぎて記憶が抜けてるような気がしますけども、今日はいろんなことを取り返そうと、このライブをやります」と話す。
続いて歌ったのは「桃色」、そして「冷凍便」。時おりバンドメンバーと目を合わせたりしながら、高低差の激しいメロディを難なく歌いこなす。次曲の「格好いいな」では苦しげな表情を見せながら旋律を這うようにして歌い上げた。憂いや切なさの詰まった一曲だ。
少しバンドメンバーと会話を交えた後、披露したのは「こいびとどうしに」。打って変わってここでは体の動きを抑え、素朴で日常感にあふれた世界観を表現。口笛を使ったりなど、仕草が可愛らしい。
「夢見る隙間」ではギター1本のシンプルな演奏から始め、途中からバンドが合流。音源とは違ったジャジーなアレンジによって大人な表情を見せた。低いメロディを太めの声で歌い、妖艶な世界が画面いっぱいに広がる。続く「星のない世界」はアコースティックセット。aikoの十八番とも言うべきしっとりとしたバラードだ。天井から放射されるレーザー光が幻想的な空間を演出。この日一番の美しいステージングだった。
「みなさんに1日でも早く会える日を願って、たくさん曲を作りたいです」と話してから披露したのは「ハニーメモリー」と「青空」の2曲。どちらも今年発表の新曲である。一曲の中で楽しそうにしたり、切なげにしたり、笑ったり、表情を様々に変えて歌う。どちらも歌い終えると「ありがとう」と深々とお辞儀していたのが印象的だった。