NiziU MIIHI、芸術的パフォーマンスの裏に“自分らしさ”追求する努力 強い想いが表現者としての特別さに
その卓越した表現力により東京合宿の時点ですでに高く評価されていたMIIHIは、韓国合宿・個人レベルテストにおいてさらなる才能を開花し、観る者を驚かせることとなる。それまでの可愛らしく清純な印象とは打って代わり、ゴールドのドレスで華やかに登場したMIIHIは「Nobody(Rainstone remix)」(Wonder Girls)をしっとりと艶やかに歌い上げるだけでなく、指先まで意識された繊細で美しい身体表現までこなし、J.Y. Parkからは「歌い出した瞬間からキューブをあげようと思ったほど上手」と絶賛の声が上がっていた。
ミッションを経るたび自身の新しい魅力を更新し続けたMIIHIのパフォーマンスは、まさに「芸術的」と形容するほかないだろう。そしてその理由には、彼女が抱く“自分らしく”あろうとする強い想いと、それを裏付けする自己追求の努力があるのではないかと思う。
TWICEに憧れ、ダンス未経験からJYP練習生入りしたというMIIHIは、『Nizi Project』開始までの7カ月という短い期間を「どうやったらもっと私らしくなれるか、自分の魅力を見せることができるかという想いで、毎日鏡の前で沢山練習して」過ごしたという。
“自分らしさ”を表現に落としこむためにMIIHIが行っていた取り組みはオーディションにも見られたもので、課題曲に対する自分なりの解釈を歌詞カードに書き込み、また映画を鑑賞することで楽曲への感情移入を深める彼女の姿が収められていた。
韓国合宿中には「考えすぎて(ステージを)あまり心から楽しめなくなったこともあった」「自分の魅力が分からなくなって、それが一番辛かった」瞬間もあったが、J.Y. Parkが語った「MIIHIさんが自信を持って楽しめば、MIIHIさんに勝てる人はいません」という言葉と、彼女自身が語った「そういう時期があったからこそ、自分にもう一度向き合えた。辛かったけれど、逆に私がもう一度ステップアップするための時だった」という想いこそが、表現者としてのMIIHIがもつ特別さを物語っている。
子供の頃から人前で歌うことを夢に「歌で人に幸せや笑顔を届けたい」と感じていたというMIIHIは、今後も彼女らしさを追い求めることによりその輝きをさらに強め、人々を魅了していってくれるだろう。
■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter
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