森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.215

Perfume、Kis-My-Ft2……進化を遂げたダンストラック 新譜5作よりピックアップ

 デビュー15周年、結成20周年を迎えたPerfumeのニューシングル『Time Warp』、Kis-My-Ft2がハイブリッドなダンスチューンに挑戦した「ENDLESS SUMMER」など、キャリアを重ね、さらなる進化を遂げたダンストラックの新作をピックアップ。ダンスミュージックとポップスの魅力を兼ね備えた楽曲を楽しんでほしい。 

Perfume『Time Warp』(初回限定盤)

 デビュー15周年、結成20周年のアニバーサリーを締めくくるプロジェクト『Perfume 15th&20th anniv with you all』の第2弾としてリリースされる、約2年半ぶりのニューシングル。表題曲「Time Warp」の基調になっているのは、80'sのテクノポップを想起させるトラック。“タイムワープ”をモチーフにしながら、“限られた人生、瞬間瞬間を大切に生きたい”というメッセージを響かせるダンスチューンだ。最新鋭のエレクトロを取り入れながら、新しい日本のポップスを創出してきたPerfumeのバック・トゥ・ベーシック的な楽曲と言えるだろう。これまでの軌跡とこの先の未来を描き出す3人のボーカルも強く心に残る。カップリングには、メジャデビュー以降の全MVを使用したMVも話題を集めた「再生」(東宝映画『屍人荘の殺人』主題歌)を収録。

Official Music Video] Perfume 「Time Warp」(short ver.)
Kis-My-Ft2『ENDLESS SUMMER』(通常盤)

 キスマイの通算26作目のシングル『ENDLESS SUMMER』の表題曲は、トロピカルハウス経由のトラックメイク、トライバルな雰囲気のパーカッション、煌びやかなシンセなどが混ざり合うダンスチューン。曲中にドープなラップが挿入されるなど、幅広い要素が取り入れられたハイブリッドな楽曲に仕上がっている。享楽的な夏のムードと〈苦しみも悲しみさえも 僕らなら乗り越えていける〉というシリアスなメッセージの対比も印象的。ただ楽しいだけのパーティーソングではなく、きつい現実を越えることで得られる達成感を描いたこの曲からは、メンバーのほとんどが30代となり、少しずつ大人のエンターテインメントグループへと変化しつつあることも感じられる。

Kis-My-Ft2 / ENDLESS SUMMER MUSIC VIDEO

 シングル曲「DAN DAN Dance!!」「チートタイム」を含む7thアルバム『CONTINUE?』は色とりどりの楽曲が楽しめる作品。軽快なギターカッティングとファンキーなグルーヴとともに“失敗したらちょっと休んで、またがんばりましょう!”とエールを送る「GAME OVER!!!」、緻密にしてアグレッシブなエレクトロナンバー「BAD GAME」などのダンストラックのほか、叙情的なピアノバラード「涙雨」、無観客ライブでも披露されたスカ・ビートの応援歌「さぁ生きまくれ! wonderful life!」など様々なジャンルのポップスが収められている。“1曲聴くごとにステージをクリア”というRPG仕様のコンセプトと構成を含め、アルバム全体をまんべんなく楽しめる工夫も。A.B.C-Zらしいエンタメ感に溢れた1枚だ。

【A.B.C-Z】「GAME OVER!!!」ミュージックビデオ

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