Crystal Kay、「歌うたいのバラッド」「3月9日」カバーから見えた新鮮な魅力
また近年のオリジナル曲と比べても違う方向性だ。2019年発表の楽曲「Beautiful」では、音数が多めで華やかな楽曲を歌っている。2018年の「幸せって。」では明るいポップスに挑戦し、「Summer Fever」ではEDMの影響を感じる楽曲に挑戦していた。音数を抑えた落ち着いたバラードは最近では少なく、その部分についても新たな音楽性への転換を考えているのかもしれない。それは正解だったと思うし、配信中の「歌うたいのバラッド」と「3月9日」のカバーから、Crystal Kayの新しい魅力を感じられるのも素晴らしいと思う。楽曲を再構築することで、誰も気づかなかった楽曲の隠れていた魅力を発見することにも成功している。
カバーアルバムは年内リリースとアナウンスされているが、まだ発表された楽曲は2曲だけ。どのような作品になるのかは全貌が見えていないが、現在発表された曲で共通しているのは、男性ロックアーティストのバラードヒット曲をカバーしているということであり、それがアルバムへのヒントになり得るかもしれない。他にはどのような曲がカバーされるのかとついつい想像してしまう。
例えば、若手の注目アーティストのカバーも聴いてみたい。Official髭男dism「Pretender」やKing Gnu「白日」もCrystal Kayと相性が良さそうだし、「3月9日」のように季節をテーマにした楽曲も合うだろう。つい作品への期待と妄想が膨らんでしまうが、とにもかくにもカバーアルバムのリリースが楽しみである。
■むらたかもめ
オトニッチというファン目線で音楽を深読みし考察する音楽雑記ブログの運営者。出身はピエール瀧と同じ静岡県。移住地はピエール中野と同じ埼玉県。ロックとポップスとアイドルをメインに文章を書く人。
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