絢香×三浦大知、コラボ曲「ねがいぼし」に込めたメッセージ 『FNS歌謡祭』テレビ初披露を機に考察

 たくさんの投稿に目を通し、絢香と三浦が一つの楽曲として完成させた「ねがいぼし」。発起人となった絢香は、アカペラ動画を投稿した時こんなコメントを寄せていた。

 「こんな状況だけど私は部屋に音楽が流れてるだけですごく気持ちが楽になるのね。そんな、みんなの毎日をちょっとでも支えられるような曲をみんなと繋がりながら創れたらいいな。こうならないと生まれなかったものはきっと後から何か意味を持つはずだから……」

 たしかに新型コロナウイルスさえなければ、失われるはずのなかった命があり、会いたい人に会えなくなることもなかった。しかし、この自粛期間に普段は意識することのない、願いや大切な誰かに気づいた人もいるだろう。その一つひとつを集約し、生まれた「ねがいぼし」は絢香が言うように何か意味を持つはずだ。確かなのは、人は他者を必要とする生き物だということ。どんなにスマホで誰かと繋がれる時代になっても、多くの人が誰かに会いたいと願っている。画面越しではなく、触れられる距離で同じ時を過ごしたい――そんな忘れられた願いに気づいた私たちを、「ねがいぼし」の最後に描かれた〈新しいはじまり〉が私たちを待っているのかもしれない。

 楽曲が完成してから約3カ月、ようやく対面を果たした絢香と三浦の歌声が明日『FNS歌謡祭』で重なる。未だ出口の見えない日々の中で、二人はどんな願いを届けるのか。今回は歌い分けを変えた、特別バージョンの「ねがいぼし」が披露される。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter:@bonoborico

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