SuperM、『Mステ』で日本のテレビ番組初パフォーマンス 知っておきたいメンバーのキャリアと特徴

SuperM 슈퍼엠 ‘Jopping’ MV

 SHINee、EXO、NCTというすでに世界規模のファンダムを持つグループたちから選ばれたメンバーは7名。メンバーの中で最も長いキャリアを持つのはSHINeeの末っ子TAEMINだ。1993年生まれで、2008年には弱冠14歳でSHINeeとしてデビュー。すでに12年のキャリアを誇り、SHINeeとしては韓国、日本やアジアだけでなくヨーロッパや北米などワールドワイドに活躍しており、日本ではドームツアーも経験済みだ。グループの活動以外にも、すでにソロパフォーマーとして日韓でアルバムやツアーを成功させており、8月にも韓国で新曲「2KIDS」をリリースしたばかりだ。TAEMINのシグネチャーといえば卓越したダンススキルとパフォーマンス全体から滲み出る、健全さの中にどこか毒が垣間見えるような独特の華だろう。

 2012年のデビュー以降、MAMA(Mnetアジアミュージックアワード)での最多大賞受賞記録でギネスに載ったこともあり、韓国をはじめ中国や日本などアジアで強大なファンダムを誇るEXO所属のBAEKHYUNは、グループ最年長の1992年生まれでSuperMではリーダーも務めている。EXOでもメインボーカルを務めているように、ハスキーでR&B的なバイブスを持つ歌声が特徴であり大きな魅力のひとつだ。すでにソロとして2枚のEPをリリースしており、2枚目の『Delight』は全世界で100万枚を超えるセールスを記録している。

 BAEKHYUNと同じくEXOに所属するKAIは、TAEMINと同い年の1994年生まれ。TAEMINとはグループは異なるが同学年(KAIは早生まれ)で、練習生時代から仲の良い親友同士だったということはファンの間では知られており、TAEMINのソロ曲「Pretty Boy」にもフィーチャリングで参加している。KAIといえば、実の父親に怖いと言われるほど没入しているような憑依型のダンスが特徴だろう。元々ジャズダンスとバレエをやっていた経験もあり、アップテンポでパワフルなスタイルから優美なダンスまでダイナミックなパフォーマンスを見せてくれる。

 NCTからは4人のメンバーが選抜されている。1999年生まれのMARKは、最年少ながらキレのあるラップでかつてはラップの印象はけして強くなかったSMエンターテインメントのグループのイメージを塗り替えた。メンバーの中からコンセプトや曲によってメンバーが組み変わるNCTの中では最も多くのグループを兼任したこともある。「100」の作曲作詞にも参加しており、特にメインで制作に関わっている歌詞の9割は英語だが、カナダとアメリカで生まれ育ったMARKにとってはネイティブ言語である英語詞の方が自然でもあるだろう。NCT127のリーダーであり、MARKとともにラップの双璧を担っているのが1995年生まれのTAEYONGだ。ラップだけではなくダンスやボーカルなどマルチな才能の持ち主で、最近は参加楽曲のラップメイキングなどにも携わっている。NCTのメンバーではあるが、中国内に別事務所を構えて独自に活動しているグループ・WayVに所属しているメンバーがTEN。1996年生まれで、TAEMINやKAIとはまた異なる、しなやかで多様性のある身体性を持ったスタイルのダンスが特徴的だ。TAEYONGとはNCT Uとして2人でのユニット活動の経験もある。TENと同じくNCTでWayVに所属しているのがLUCAS。1999年生まれでMARKとは同い年のグループ最年少だ。グループでは主にラップ担当だが、MARKやTAEYONGとは少し異なる低音ラップが魅力。また、明るく率直なキャラクターでグループにポジティブなイメージを与えている。

 SuperMのような、異なるグループからメンバーを選抜して新しいグループを作る試みは、すでに人気のグループを複数抱えており、一貫性のある個々の高いパフォーマンススキルが保証されているSMエンターテインメントのような大手事務所でなければ難しい企画であるという点で、現状唯一無二の存在のグループだといえるだろう。また、韓国以外のタイ、香港、カナダといった多国籍でマルチレイシャルなメンバーや日本での活動歴が長いメンバーがいるのも強みのひとつ。実際、先述のオンラインライブでも多国籍のファン達と多言語で直接コミュニケーションする姿は印象的だった。今年予定されており、チケットの競争率も高かった東京ドーム公演は延期状態になっているが、日本のお茶の間で見られるこの機会にチェックしてみてはいかがだろうか。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
Twitter:@djutakata

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