森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.212
関ジャニ∞、ヒトリエ……リスナーへのメッセージを体感 新譜5作からピックアップ
2012年から2019年までに発表した楽曲のなかから、メンバー自身が厳選した楽曲をコンパイルした2枚組ベストアルバム『4』。「センスレス・ワンダー」「ワンミーツハー」などを収めたDisc1はwowakaの圧倒的な才能が迸り、「アンノウン・マザーグース」「ポラリス」などを収録したDisc2では、徐々にバンドとしての生々しい一体感を獲得するまでのプロセスが手に取るようにわかる。そう、本作はまるで、トライ&エラーを繰り返しながら、4人のミュージシャンがロックバンドとして成長していく姿を刻んだドキュメンタリーのようだ。wowakaのボカロ時代の代表曲の一つ「ローリンガール」のライブ音源(2016.2.18 at下北沢GARDEN)も貴重。このベストをきっかけにして、ヒトリエをさらに先に進めてほしいと切に願う。
2020年1月にシングル『MAGIC HOUR』で日本メジャーデビュー。5月に全世界に向けて2ndミニアルバム『The Dream Chapter: ETERNITY』をリリース、日本でもオリコンチャート1位を記録し、瞬く間にブレイクしたTOMORROW X TOGETHER。2ndシングル『DRAMA』の表題曲は、ドラムンベース的なビートと軽やかなギターカッティングを融合させたサウンド、ファルセットを活かした官能的なボーカルが楽しめるダンスチューンだ。さらに「Can't You See Me?」の日本語バージョン、初の日本オリジナル曲「永遠に光れ (Everlasting Shine)」(テレビ東京のアニメ『ブラッククローバー』オープニングテーマ)も収録。海外のポップシーンと同期した音楽性、親しみやすいポップネスが共存するシングルに仕上がっている。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。