s**t kingzが語る、ステイホーム期間とライブストリーミングスダンスショーを通じて向き合ったシッキンの原点

様々なインスピレーションを表現したs**t kingzのチャレンジ

――s**t kingzのダンスはもともとストーリー性や楽曲の世界観に合わせて作り込まれている印象ですが、お芝居や会話にダンスをはめていく構成はどのように組んでいくのでしょうか。

shoji:これも、原案やアイデアはInstagramで公開していました。日々のZoomの打ち合わせの中から、「話している声に振りを付けたら面白いよね」というやりとりから生まれたものでしたが、新鮮な感覚がしたので「こういうものをライブでもやろうよ」という話になり。セリフはみんなでどういう方向性にしようか考えて、自粛期間中に各自携帯で声を録って、Oguriが監督と編集作業を全てしてくれました。

Oguri:あの会話はシッキンのキャラが4人とも違うじゃないですか。そういうのもあって、見ごたえがあるのかなと思っています(笑)。話の流れとかも。

――shojiさんがとてもイジられていたような……(笑)

Oguri:(笑)。Zoomの会議をしていても、shojiくんの画面が高確率で止まるので、そのまま再現しました。シッキンの『オンラインオフ会』などで多々あった事件だったので、普段からSNSを見てくれている人たちが、より楽しめるものになったんじゃないかな。

kazuki:誰かに脚本を頼んでいたらきっとああいう風にはならないよね。

NOPPO:普段Oguriはshojiくんのことをすごいイジるんですよ。それも相まって、Zoomの作品はshojiくんがイジられていますね……スタートから最後までずっと(笑)。

shoji:そうなんですよ!(笑)。だけど、作品でありつつも素のシッキンっぽさというのは、今まであまりステージで見せたことがない気がするので、自粛期間中に素の自分たちを出してきたことがあの作品につながっているし、新鮮な気持ちで楽しんでいただけたのかなと思います。

――Oguriさんは、ミュージカルに出演する機会も多いですが、曲ではなく会話に合わせるダンスの面白さはその経験も活かされているのではと感じました。

Oguri:音楽に合わせるダンスは、ある程度一定のリズムがあるので心地よく見れるんですよね。だけど、会話だとテンポがどうなるのか読めないし、突然スピードが速くなったり遅くなったり、いきなりちょっと間が開いたり、止まったりするので、リズムがないことで見ている方も予測ができなくなる。僕は昔から細かくて早い音がすごく好きなんです。タップダンスの音とか、ユーロビートとか……

kazuki:ユーロビート好きだったっけ(笑)?

Oguri:メロディがすごく速いじゃないですか。そういう音を「気持ちいい!」と思っていたので、舞台のお芝居などでも会話のテンポが急に早くなったりするのが見ていて面白いんですよね。今回は、そういった予測のできない作品をシッキンで作れたら面白いなと思いました。

――メロディがないことによって振付や表現の幅もまた一歩広がりますね。

Oguri:s**t kingzとして、様々な人たちと音楽を作らせてもらうようになって、自分たちのダンスに対する音楽の考え方も自然と変わってきているのかもしれないですね。昨年末に開催した『メリーオドリマX'mas. s**t kingz DANCE LIVE 2019』の中でも、アレンジや細かな音作りをバンドメンバーと一緒に話しながら作っていったのですが、きっとそういうところでも、自分たちの感覚が少しずつ音楽に対して自由になっているのかなと思います。

――ソロのステージについても聞かせてください。kazukiさんの鏡を使った演出は、普段のステージではなかなか見ることができない試みでした。

kazuki:あの振付と作品は、今回の配信ライブのために作りました。最初に鏡を使えると聞いて、ソロに限らず鏡を使った演出がしたいと思っていたのですが、「ソロで使われせてくれ!」という勇気はなくて(笑)。そしたらOguriに「鏡はkazukiが踊ってるのしか想像できない」と言われて。そこからはイメージがどんどん膨らんでいって自分らしい作品にもなったと思います。

――NOPPOさんはウォークマンを使って踊っていましたね。

NOPPO:僕もあの日のために作っていたんですけど、本番が終わって1週間後くらいに振り返ってみたら、何年か前もウォークマンを使って踊ったことを思い出しました。今回踊った曲名の「Back to 95」から着想を得て、「この曲を昔の人がウォークマンを聴いて踊っていたらどうなるんだろう」とイメージしながら踊りました。

――Oguriさんのソロパートでは、自粛期間中のおうちでの様子がうかがえました。実際に家でもずっと踊っていましたか?

Oguri:お酒を飲みながら踊るというのは、自粛期間中に何度も一人で開催していたパーティでしたね(笑)。今回自分としては、バシっとキメて踊るのではなく、リラックスした家での素に近い部分をダンスでどうにか伝えられないかなと考えていました。自粛期間中に他のダンサーのオンラインレッスンも受けていたのですが、そこで技術はもちろんですがグルーヴを受け取ったり学んだりしたことが大きかったので、ソロのステージはでそういったグルーヴがみなさんに伝わっていると嬉しいです。

――shojiさんは小道具を使わずに、フラストレーションを爆発させるように踊っていたのが印象的でした。

shoji:せっかく広いところで踊れるようになったので、思う存分に暴れ回りたいなと思って、激しく踊れるような曲をセレクトしました。まさしくおっしゃる通り、自粛期間中に溜まっていたフラストレーションを発散したという感じです(笑)。

――また、ラストに披露した「BEAUTIFUL」(『あの扉、気になるけど』に収録されているナンバー)は、日本や世界が大変な状況だからこそ“目の前の扉を開こう”というメッセージが胸に響きました。

shoji:どんな楽曲や構成にしようかと話をしていく中で、コロナ禍でもみんなが前に進み出そうというタイミングでもあるし、今回の配信ライブは生活様式がガラッと変わった中での新しいs**t kingzとしてのチャレンジにもなりました。世界的に見ても、“Black Lives Matter”などのムーブメントが起きていて、大きな時代の転換期にいるという今だからこそ、『あの扉、気になるけど』と「BEAUTIFUL」の世界観はこのタイミングでパフォーマンスする意味があるんじゃないかと感じていました。普段は、s**t kingzとしてはそういうスタンスで踊ることが少なくて、どちらかというと「みんなで楽しんでいこうよ!」という感じでいるのですが、さっきも少し言った「s**t kingzってなんだろう」という話をしていたときに、「どんなに暗くて辛い時でも、とにかくみんなをハッピーに、前向きにできる存在でありたい」という思いが一致していました。苦しい状況でも、ポジティブなエネルギーをストレートに伝えることがs**t kingzとして大切なことだと思っています。

――『NAMA! HO! SHOW!』を見ていて、歌やスピーチではなくダンスだからこそ、“世界中の人がみんな同じ状況(ステイホーム)で頑張っている”ということがストレートに伝わってくるのだと思いました。全世界12の国と地域から視聴があったと伺いましたが、配信を通じて世界の人との繋がりを感じる部分はありましたか?

NOPPO:僕たちはこれまでに海外の色んな場所でワークショップを開催してきました。そもそもダンスは言葉なしで元気や感動を与えられるものだし、s**t kingzはダンスを踊らない人にも、ダンサーの人にも面白いと思ってもらえる存在になっていきたい。本当に今は世界中の人が様々な問題を抱えているけど、だからこそ世界中の人にもっと僕たちだからこそ伝えていけることがあると改めて思いました。

kazuki:今回の配信で、世界と繋がりたいという気持ちや、繋がるチャンスがすぐそこにあると感じることができるのは、オンラインだからこそだと感じました。もし今が海外に行ける状況だったとしても、頻繁には行けないし、世界中の人にも簡単に会うことはなかなかできないので、今オンラインが人々の身近な存在になっているからこそ、それを駆使して今まで出会ったことのない海外の人や、久しぶりに会う海外の友達とSNSでお互いの作品の感想を言い合ったり連絡したりという交流が増えています。なので、そういう機会はどんどん増やしたいと思っています。

8月29日のダンスショーは「s**t kingzの最上級をぎゅっと詰め込んだ内容に」

――9月から予定されていた『HELLO ROOMIES!!』は残念ながら延期となりましたが、8月29日にライブストリーミングダンスショーの第2弾となる『NAMA!HO!SHOW‼~ON&OFF~』の開催が決定しました。今回は、どんな公演にしたいですか。

shoji:6月に『NAMA! HO! SHOW!』を行ったことで、新しい気づきや学びもたくさんありました。前回の作品は、自粛期間中にメンバーと身近なスタッフだけで話し合って作っていったのですが、今はすでに『NAMA!HO!SHOW‼~ON&OFF~』の作品の打ち合わせ・リハーサルが始まっています。映像の監督も(打ち合わせに)参加してくれているし、前回よりもっといろんな視点を交えてみんなで作品を作っているので、前回を超える面白いものを届けます! 

 あと、自粛期間中にたくさんアイデアをみんなで出し合っていたものが、自粛が解けて忙しくなっていくことで、そういうアイデア出しの時間がなくなるのはもったいないということをみんなで話していて。s**t kingzで新しく面白いものをクリエイティブしていく姿勢は、止めずにこれからも時間を作っていきたいです。これからも様々な新しいチャレンジをしていく予定なので、そこで得たものを吸収して次回の配信ライブはs**t kingzの最上級をぎゅっと詰め込んだ内容にしたいと思います。……熱くなりましたが、伝わりますでしょうか(笑)。

――ありがとうございます。伝わりました! 今お話しできる範囲で、コンセプトや構想などが決まっていたら聞かせてください。

NOPPO:1つの空間を使って、何ができるかというのが課題になってくると思います。前回は、シンプルに全面黒で覆われたステージを色んな角度から楽しんでもらえるように工夫していてたのですが、今回は更に、「これ本当に1つの部屋でやっているの?」と驚くようなショーにして、存分に僕たちのステージを内側からも外側からも体感してもらいたいです。自粛期間中はさっきもshojiくんが言った「s**t kingzとして何ができるだろう」ということを僕たちみんな常に考えていました。なので、このクリエイティブを絶やすことなく、次回の配信ライブではもう一つ新しいs**t kingzの試みに、ぜひ期待して楽しみにしていてほしいです。

【告知 Trailer】s**t kingz Live streaming dance show「NAMA!HO!SHOW!!~ON&OFF~」
『s**t kingz Live streaming dance show「NAMA!HO!SHOW‼~ON&OFF~」』

■配信概要
イベント名: 『s**t kingz Live streaming dance show「NAMA!HO!SHOW‼~ON&OFF~」』
主演:s**t kingz
配信日時:2020年8月29日(土)20:00~※70分間前後の配信予定
配信方法:ライブストリーミング
発売:2020年8月8日(土)12:00~
料金:
・一般2,800円(税込)
・062会員2,800円(税込)※062会員限定【撮り下ろしフォトデジタルコンテンツ(サイン付き)・動画コンテンツ】付き
イベント情報特設ページ

s**t kingz オフィシャルサイト

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