ONE N' ONLY、初のオンラインライブで見せた新しい魅力 『“Shut Up! BREAKER” Special Live』レポ
本編のラストを飾ったのは「HOLIDAY」。HAYATOのワイルドなラップを筆頭に、トライバルなビートに乗りながら歌う彼らは本当に楽しそうだ。「近所迷惑にならないぐらいに声出してね!」「ジャンプして!」「一緒に踊ってほしいな」といった呼びかけに画面の前にいるファンたちもちゃんと応えていたに違いない。
今回も普段のライブと同様にアンコールが用意されていた。EIKUが「最高の時間を締めくくるために一緒にこの曲を歌ってください」と話すと、「My Love」のイントロがスタート。ソフト&メロウなサウンドと複数のカメラによって映されたミュージカルのようなダンスは、恋愛映画のハッピーエンドを思わせる。そして達成感に満ちたメンバーたちが手を振る画面を最後に、初のオンラインライブは終了となった。
新型コロナウイルスの影響で思うような活動ができない今、オンラインライブを開催することは当然の成り行きである。とはいえ、ONE N' ONLYの場合はそれを“とりあえず”ではなく、“今までとは違う自分たちを見せることができるメディア”としてポジティブに選択したように思えるのだ。
PCやスマホを通じて届けられるものを追求した約1時間のライブは結果的にファンとの絆を強め、さらには新たなリスナーの獲得につながる内容であったと思う。『“Shut Up! BREAKER” Special Live』は、ONE N' ONLYの歴史において重要なキャリアになる、そんな気がしてならない。
■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を開始。『ミュージック・マガジン』など専門誌を中心に寄稿。『ジャズ批評』『韓流ぴあ』で連載中。ムック『GIRLS K-POP』(シンコー・ミュージック)を監修。K-POP関連の著書・共著も多数あり。