乃木坂46 4期生が注目集める理由 『ノギザカスキッツ』放送開始を機に考える“初期メンバー11人”の魅力
4期生メンバーがそれぞれの個性を存分に発揮したのは、オールロケのバラエティに初挑戦した『乃木坂どこへ』(日本テレビ)ではないだろうか。乃木坂46メンバーが街ブラをしながら、MCを務めたさらば青春の光と軽妙なやり取りを繰り広げていたが、遠藤の堂々とした振る舞いと勘の良さ、賀喜のオールマイティに仕事をこなす能力、掛橋沙耶香の前のめりで企画に参加する姿勢、金川紗耶のバラエティ力、北川悠理の天然っぷり、柴田柚菜の自然と仲間に「がんばれ」と声を掛ける優しさと気遣い力、清宮レイの無邪気さ、田村真佑のチャーミングなおバカキャラ、筒井のロケに行きたい場所に「喫茶店」と書き記す独特のセンス、早川聖来の東京タワーを拝むことができずに涙を流した純粋さ、他にも挙げればキリがないがいくつもの個性が光る瞬間があったように思う。
『ノギザカスキッツ』の#2では矢久保美緒の活躍が目立っていたように思う。『乃木坂どこへ』の初回放送で、さらば青春の光に挨拶をした際、「私つまらない人間なんで、面白くならないんです」と急に泣き出してしまうことがあったが、矢久保自身、同番組の熱海ロケ企画で「自分を好きになりたい」「評価されるような人間じゃない」とコメントしたことがあった。今回の新番組ではそんな彼女のネガティブな部分を敢えて活かした「FUWANちゃん」と題したコントがスタートした。矢久保自身、映像を見終えて「大丈夫でした?」と相変わらず不安そうな表情を浮かべていたが、遠藤は「はっちゃけている姿が上手くて、私にはあんなことできない。尊敬します」と絶賛していた。実際、矢久保のネガティブな一面が“笑いというエンターテインメント”に昇華された美しい瞬間だったように思う。
4期生の勢いを物語るのが『しあわせの保護色』のカップリングとして収録された「I see…」のYouTube再生回数。MVが公開された当初、SNSでは「SMAPっぽい楽曲」と話題になったが、公開から約3カ月超の6月26日の時点で再生回数は1000万回を突破した。ほぼ同時期に公開された「しあわせの保護色」MVの再生回数が780万回(6月24日時点)と、表題曲を大幅に超えているというのは異例の出来事だと言える。楽曲の良さはもちろん4期生たちが笑顔で踊る姿とキャッチーな振付けも、人々を惹きつけた要因だろう。
個性豊かな11人に、新4期生・黒見明香、佐藤璃果、林瑠奈、松尾美佑、弓木奈於が加わり16人の4期生となった。先日配信された「乃木坂46時間TV アベマ独占放送『はなれてたって、ぼくらはいっしょ!』」(ABEMA)で初めての大仕事を共にした16人だが、これから活動する上で様々な困難にも直面することだろう。乃木坂46というグループに所属したからには、いつかは「選抜」「アンダー」に分かれて活動をしていかなければならないのも現実だ。
しかしたくさんの練習で共に汗を流し、時に涙して、そして一緒に笑った4期生の絆が簡単に消えるようなことはないだろう。先輩が築きあげてきた乃木坂46を受け継いでいく者として、「努力」「感謝」「笑顔」を大切にしながら、これから16人で新たなグループの歴史を切り開いていくに違いない。
〈4番目の光を探しに行こう/どこかにきっとあるだろう/私たちの世代だけのその輝き/新しい色になる〉。(「4番目の光」)
この歌詞の通り、4期生が進む先には、まだまだ無限の可能性が広がっている。
■中山洋平
1983年生まれ。フリーランスの編集・ライター。ボウリング、洋服、ギター、サウナ好き。Twitter