メジャー1stアルバム『MAJOR OF CUBERS』インタビュー
CUBERSが語る、『MAJOR OF CUBERS』とメジャーデビュー1年で得たもの 「ピラミッドの頂点を目指す」
「5人合わせて500点」の目標を掲げ、CUBERSが颯爽とメジャーデビューを果たしたのは昨年5月のこと。つんく♂に贈られたデビュー曲「メジャーボーイ」をはじめ、「妄想ロマンス」「WOW」とヒットシングルを連ね、ハイレベルな歌とダンスで魅せるライブパフォーマンスも着実にパワーアップ。予期せぬ自粛生活の直撃にも負けず、爆発寸前のポジティブパワーをすべて詰め込んだのがメジャー1stアルバム『MAJOR OF CUBERS』だ。ファンク、ダンス、ポップ、ロック、ジャズなど様々なエッセンス集めてCUBERS色で染め抜いた、自信満々のアルバムについて5人が語ってくれた。(宮本英夫)
集大成でもあり、2年目との懸け橋になってくれるアルバムになった
ーーメジャーデビュー1周年を飾る1stアルバム。あらためて聴くとシングルの収まりもいいし、新曲もいろんなスタイルがあるし、良いアルバムできたなあと思いますよ。
TAKA:自分たちで言うのも何ですけど、全部がいい曲すぎて、どの曲もリード曲なんじゃないか? と思うくらいの1枚に仕上がったなと思います。僕たち自身もアルバムができあがるのを楽しみにしてたので、期待以上のものができたというか、早くこれをみなさんに聴いてほしいなという気持ちでいっぱいですね。
ーー全13曲のうち、ほぼ半分が新曲。
TAKA:ライブで披露した楽曲もあるんですけど、音源にはなっていなかったので。ファンのみなさんには「待望のあの曲が」というふうに楽しみにしてくださっている方がたくさんいるので、早く6月24日が来てほしいです。
ーーじゃあ全員の声を聞きましょう。それぞれの1stアルバムの手ごたえを。春斗くんから。
春斗:メジャーデビューしてから1年の集大成という意味で、成長した部分と、それまでのインディーズ時代に作って来た僕たちらしさも、アルバムの中に全部詰まってると思います。1曲目が「メジャーボーイ」で、歌詞に〈Take Off〉って出てくるんですけど、12曲目が「空の上」で締められているというのもいいですね。
TAKA:ジャケ写もね。それで飛行機になってる。そういった意味合いも含まれています。
綾介:シングル曲はもちろんいいんですけど、新しい感じの「Beautiful world」「Twilight」とか、今までとちょっとだけ傾向の違う曲も入ってます。集大成でもあり、今後のCUBERSにとっても幅が広がるような、2年目との懸け橋になってくれるアルバムになったんじゃないかなと思います。
優:自分たちで言うのも何ですけど、こんなにいい曲が揃っていると思えることは、すごく恵まれていると思うので。本当にいい1枚ができました。僕たちのメジャーの始まりの曲「メジャーボーイ」からスタートする曲順もいいし、通して聴いてほしいです。
9太郎:こんな状況の中で、アルバムを世の中に出せることがうれしいというのがまずあって。一つ一つの曲や歌詞を見ても、僕の自粛期間の支えになったところもあるので、不安な気持ちがふと軽くなったり、今日仕事頑張ろう、明日学校頑張ろうとか思ってもらえる1枚になったんじゃないかなと思います。
ーーそんなアルバムのリード曲「全然今しかない」は、在日ファンクの浜野謙太と村上基による強烈な一撃。どファンクですね。
春斗:どファンクですね。
ーーこれって相当ムズいのでは?
春斗:楽器も生だし、グルーヴだらけで、そこにどう声を寄り添わせるか? がすごい難しかったですね。レコーディングも浜野さんにディレクションしていただいたんですけど、とにかく音数が少ないので「歌にグルーヴを出してほしい」と、それだけを言われました。あと、浜野さんの声も入ってるんですけど、それがめちゃめちゃかっこいいんですよ! 僕はアウトロのフェイクをやってほしいと言われたんですけど、浜野さんのようにはできなくて大変だった思い出があります。
ーー綾ちゃん、こういうタイプの曲好きでしょ。
綾介:ダンス的な面でもすごく好きですね。ただ歌のレコーディングとなると大変で、少ない音数の上にどう自分らの声を乗せるかが難しかったです。
ーー言い方アレだけど、もはやアイドル曲じゃない。
綾介:バンド曲ですよね。しかもこれに振付があるので、CUBERS色にしっかり染めてパフォーマンスしたいと思います。バンドの方が歌と楽器でやるのと、僕らが踊りながら歌うのとでは、見え方が違うと思うので、そこが僕らの強さでもあると思います。
TAKA:バンドの生演奏の上に浜野さんが仮歌を乗せてくれたんですけど、いざレコーディングになった時に、もっと音を足していくのかな? と思ったんですよ。そしたらそのままいくことになって、これは僕たちの歌のスキルにかかってるなと感じたので、そういうプレッシャーはありましたし、気合は入ってました。でも考えすぎても良くないですし、固くなるとグルーヴから遠ざかるので、自分は気持ちよく歌うだけ歌って、あとはお任せするという気持ちで臨みました。
ーーとにかく素直に伸び伸びと。
TAKA:そこがないと、そもそもこの曲を成立させられないので。変に器用にやろうとしなかったのが良かったのかなと思います。
優:個人的には「いつか生音で歌いたい」と思っていて。『踊らないワンマン』(バックバンドの生演奏に合わせてダンスなしのステージを披露する恒例イベント)をやった時にも、ブラスを入れてやりたいなと思っていたので、それが叶ってうれしいです。あとは歌詞のことで、〈散々だべって空を見よう〉っていうところ、TAKAと綾介が歌ってるんですけど、「だべって」って方言なんですね。ファンの人が気づいてるかどうかわからないですけど、だからあえてここはTAKAと綾介にしているという。
TAKA:地方組ね。「だべる」ってどこの言葉だっけ。
ーーええと、どこでしたっけね(*北海道が起源らしいです)。
優:意外とこれ言ってなかったんで、今言ってみました。
9太郎:僕もこの曲、とっても大好きなんですけど、ミュージックビデオがミュージカル調になっていて。
ーーそうそう。あの、美術館のホールみたいな場所は。
9太郎:河口湖のオルゴール館です。ミュージカル調が初めてだったので、最初どうしていいかわからなくて、でも夏まゆみ先生(振付)が撮影に来てくださって、いろいろアドバイスをくださって。出来上がったら「めっちゃ素敵な作品になってる!」と思って、ミュージックビデオもたくさん見てほしいなと思います。
ーーそしてサブリード曲が「Yeah! 僕らは変わらない」。これは、歌い出しが9ちゃん。
9太郎:そうです。作曲がひろせひろせさん(フレンズ)で、「妄想ロマンス」「顔面国宝!それなー」でもお世話になっていて、作詞が憧れの福田花音さん(元アンジュルム)で、とってもうれしかったです。ひろせひろせさんがレコーディングのディレクションをしてくださって、「9ちゃんは自分を出していいよ」と言ってくださったので、自由に楽しく歌わせてもらいました。
ーーCUBERSの音楽が持ってる二面性の、ファンクな部分とポップな部分があるとしたら、こっちはポップなところを思い切り見せる曲という感じかなと。
TAKA:ライブで盛り上がりそうな曲だなと思います。僕は〈yeah yeah〉という歌詞が気になってて、あえて言葉を入れずに「yeah yeah」にしたことがすごくいいなと思っていて。レコーディングの時に聞いたんですけど、福田花音さんもひろせひろせさんも、やっぱりそこはこだわった部分らしいです。ただ盛り上がるだけじゃなくて、すごくメッセージ性のある歌詞ですし、あらためて一人間として大事なことに気づかされるメッセージというか、大人になっていろんなことを知りすぎると、そこが悪い方向に働くこともあるんですけど、「子供の時のピュアさが大事なんだよ」ということを書いてくださってると思うので。それは人に対しても、自分たちの生き方も、「もっと素直に自分の気持ちを出したらいいんじゃないかな」とあらためて気づかされたので、すごくいい歌詞を歌えてるなと思います。ファンのみなさんにも気に入ってもらえる楽曲になると思いますね。
ーー作家の人たちも、みんなCUBERSのことをわかってるよね。今どんな言葉を、どんな曲を歌えばいいか、考えてくれてる。
TAKA:そうですね。今回のアルバムは、浜野さんは初めてですけど、今までも制作に携わってくださった方の曲が多いので。そういった意味でもCUBERSらしさはより出せた気がしますね。