ACIDMAN、さなり、Stray Kids……独自のサウンドアレンジとメッセージ性 新譜5作をピックアップ
中学生でオリジナル音源を作り始め、SKY-HIのプロデュース曲「悪戯」を含む1stアルバム『SICKSTEEN』を昨年6月にリリースした2002年生まれのさなりから、初のパッケージシングル『Hero』が到着。岡田健史主演FODドラマ『いとしのニーナ』の主題歌としても話題の表題曲は、ジャズテイストの冒頭から一転、しなやかなビートと〈繰り返される罪の中できっと〉というフレーズが鳴り響くダンサブルな楽曲。厚みのあるグルーヴをたたえたトラック、芯の太さとセクシーな表情を共存させたボーカルが溶け合うこの曲は、さなりの音楽性が急速に広がり続けていることを証明している。17才になり、少年から青年に変わっていく季節とリンクしながら彼は、アーティストとして確実に成長しているようだ。
2017年にサバイバルリアリティ番組で選抜されたメンバーにより結成されたボーイズグループ、Stray Kids。2019年にワールドツアーを行い、日本でも国立代々木競技場第一体育館で単独公演を成功させた彼らの日本1stシングル『TOP -Japanese ver.-』には、韓国発のウェブコミックのアニメ版『神之塔 -Tower of God-』の主題歌2曲を収録。オープニング曲「TOP -Japanese ver.-」は、荘厳なストリングスに導かれ、重厚にしてアグレッシブなトラック、強靭なラップと美しいサビメロが響き渡る。エンディング曲「SLUMP -Japanese Ver.-」は、鋭利で浮遊感のあるギターサウンドを軸にしたサウンドと憂いを帯びたボーカル/ラップが融合した楽曲。音楽性の高さ、各メンバーのパフォーマンスを含め、完全に世界標準だ。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。