乃木坂46×欅坂46×日向坂46、冠番組リモート収録の魅力は? 離れているからこそ近づく心の距離とリアルな姿
また、普段言えなかったことも画面越しでは、気兼ねなく発することができるのもリモート収録の特徴である。『日向坂で会いましょう』MCの若林正恭(オードリー)は、2カ月ぶりに会うメンバーに「みんな1人ずつ映ってるのを見ると美人ですね。本当にキレイ」「透明感がすごい」と2週にわたって絶賛。そんなハイの若林に佐々木久美が「離れてるから褒められるんですね」と返答し、春日俊彰(オードリー)が「この距離感でしか言えないことってある」とカバーする一幕もあった。
珍しかったのは、小坂菜緒がリモート上ではプレゼンの言葉により力がこもっていたこと。その振りかぶったスタイルに気を良くした若林が「リモートだと強くなるタイプかも」とコメント。いつにも増して小坂への贔屓も酷くなり、加藤史帆が若林に嫉妬するという定番の流れとなった。
『乃木坂工事中』では、星野が今、バナナマンと話したいこととして、「『みなみちゃん』と呼んでほしい」と懇願。番組開始からずっと星野と呼んできているため、お願いを渋る2人であったが、『乃木坂工事中』公式Twitterで公開されている日村勇紀の誕生日を祝う動画の中で、さりげなく日村が「ありがとう、みなみちゃん」と星野の願いを叶えている。日向坂46メンバーは、第1子誕生を発表した春日に、「93さんダディガさん第1子誕生おめでトゥース」と『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でのトークを織り交ぜながらメッセージボードにて祝福。実際の距離は離れているが、心の距離は近くなれるのがリモートの不思議な魅力なのかもしれない。
ほかのバラエティを見ていると、徐々にスタジオ収録を再開している番組も出始めている。だが、それはMCと出演者の距離を十分に取り、場合によってはアクリル板を挟んだ収録人数を制限したもの。スタジオ出演とリモート出演を組み合わせ、人数を補填するパターンも見受けられる。特に収録人数の多い3坂道の冠番組によっては、今後、選抜されたメンバーのみ、または『日向坂で会いましょう』のような“ぶりっ子さん”縛りといった少数での構成がなされていくだろう。リモートの良さもあるが、ひな壇メンバーを含めた一体感やタイムラグのない間など、スタジオ収録でしか生み出せない空気感も確実に存在している。仲良しメンバー同士の絡み、ジャージを着た対決シリーズ……当たり前にあった収録内容が再び見られることを願う。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter