坂道シリーズが同性からも支持を集める理由 女の子に希望を与えるメンバーの強固な志

 乃木坂46の4期メンバーである期待の新星・遠藤さくらが、『non-no』の専属モデルになったことが発表された。坂道シリーズの先輩である元乃木坂46の西野七瀬や欅坂46の渡邉理佐、日向坂46の佐々木美玲に次いでの大抜擢。同世代の女性に人気の高い坂道シリーズは、女性ファッション誌の専属モデルを席巻し、女の子のあこがれのまなざしを一手に引き受けている。

乃木坂46『しあわせの保護色』(通常盤)

 いまや、坂道シリーズに限らず女性が同性のアイドルを応援することに、ほとんど違和感はなくなってきている。現場に行けば女性ファンを多く見かけ、推しメンのカラーを纏ったり、ヘアメイクにそれぞれのアイドルの個性を取り入れたり、全身でアイドルに夢中になっている。好きになった理由は人それぞれで、「こんな風になりたい」と理想の姿を重ねることもあれば、ひたむきに頑張る姿に奮起して勇気をもらっている人もいるだろう。個性豊かな女性アイドルが乱立する中でも、坂道シリーズは女性ファンの間口を広げるきっかけをつくったように思う。坂道シリーズは多様だ。よく例えられるのが、乃木坂46は上品で清楚、欅坂46はクール、日向坂46は幸福感(ハッピーオーラ)。ファンは、あらゆる角度から多様な女の子を見つめ、推しを見つけずにはいられないのだろう。

 女性ファンが増えた大きなきっかけの一つは、多くのメンバーが女性ファッション誌の専属モデルに起用され、女性の認知度が高まったためだろう。清楚さと上品さを兼ね備えた圧倒的なビジュアルから醸し出される、透明感。加えて、どことなく“強さ”も感じられるところが、彼女たちの魅力のように思う。坂道シリーズのメンバーの多くは、デビューするまで引っ込み思案で人見知りだったメンバーばかり。デビュー時の映像を見ても、どことなく自信がなくて泣いている印象があり、垢抜けていない。そうした子たちが自らオーディションを受け、表舞台に立つことを選んだのは、ただのあこがれだけではないはず。皆が皆、「変わりたい」と強く願い、かなり荒削りな方法ではあるが全く違う世界に飛び込むことで自分の殻を剥がす機会を得て、見た目も中身もほんとうに変わっていく。一見控えめではあるが、強くたたずむようになるのだ。

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